
アイテム情報

「百の世界の物語」は、1991年8月9日にアスク講談社から発売されたファミリーコンピュータ用ロールプレイングボードゲームです。

RPGのように装備を整えて敵と戦いながらレベルを上げ、選択した日数でラスボスを倒すことが目的となります。ただし、通常のRPGと異なるのは4人が同時に同じ目的を目指すという点。1人プレイの場合は3人がコンピュータ担当となり、また人間4人での同時プレイも可能となっています。複数人でのプレイが前提であるため、行動はターン制で進められます。その際、目的のためには協力してもいいし、他のプレイヤーを攻撃することもできます。自由度に制限はあれど、テーブルトークRPGをコンピュータゲームにしたようなシステムは当時、極めて斬新でした。

基本シナリオは3種類しかないため「どこが百の世界の物語なの?」と思われがちですが、シナリオ内のクエストが膨大にありそれがランダムで出現するため、プレイするごとに違う物語が生成されるという仕組みです。キャラクターやアイテム、敵モンスターもふんだんに用意されており、何度遊んでも飽きずに新鮮に楽しめるようになっているのは本作の重要なポイントです。

本作のディレクターを務めたのが高瀬俊一。ファミコンの「元祖西遊記 スーパーモンキー大冒険」で企画を担当し、ディスクシステム版「バブルボブル」、ファミコン版「レインボーアイランド」などを制作しました。シナリオを担当した冒険企画局のわきあかつぐみによる持ち込み企画からスタートし、様々なスタッフに助けられながら本作を作っていくという逸話が、BEEPのリレーブログ(https://www.beep-shop.com/column_entry/17433/)で、高瀬自身によって語られています。そこに至るまでの遍歴なども非常に興味深いのでご一読することをオススメいたします。