ファミリーコンピュータ「AD&D プール・オブ・レイディアンス」

■AD&D プール・オブ・レイディアンス

テーブルトークRPG「アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ」(AD&D)をベースにしたシミュレーションRPGです。PC/AT互換機用として開発された後、コモドール64、AppleⅡ、Macintosh、Amigaなどに移植され、日本ではPC-98シリーズ、PC-88シリーズ、X1turbo、そしてファミコン版が1991年6月28日にポニーキャニオンから発売となりました。

ストーリーは、モンスターに占領され廃墟となった都市をモンスターの手から取り戻すというもの。依頼されたクエストをこなしていくというオーソドックスな作りですが、プレイヤーの選択次第でクエストが多様な展開に広がり、その解決方法も複数あるなどテーブルトークRPGのような自由度の高いシナリオを意識した作りになっていたのが新鮮でした。
探索シーンでは「ブラックオニキス」のように3D画面を移動し、敵とエンカウントするとシミュレーションマップに移行、ターン制のバトルが開始されます。

日本では「ドラゴンクエスト」の発売以後、雨後の筍のごとく新たなRPGシステムが生まれてきましたが、本作のシステムはファミコン版発売の91年当時としてはやや時代遅れの感は否めません。それでもテーブルトークRPGの再現を目指したことは、テクニカルアドバイザーを務めた安田均氏、翻訳を担当した清松みゆき氏らグループSNEスタッフが関わったことからも伝わってきます。