【第26回】特別編・男子便所専用コンテンツ『トイレッツ』を探して…(後編)

『トイレッツ』設置・稼働状況レポート、東京・神奈川編の続きである。


前回は、主にゲームセンターとパチンコ店のトイレを調査し、トイレッツの現在をレポートした。今回は、じつは本命の“居酒屋”調査をお届けする。

2011年10月にセガは、老舗居酒屋グループ・養老乃瀧チェーン40店舗でのトイレッツ先行ロケテストを実施した。このロケテストでの結果を踏まえ、最終調整されたものが翌月から販売されていったのだ。そのため、設置リストに掲載されたお店は『養老乃瀧』『一軒め酒場』『だんまや水産』という養老乃瀧グループの店舗が圧倒的に多い。

今さらではあるが、私はお酒に滅法弱い。飲み会でもアルコールは1杯あれば十分で、いちばん苦手な飲み物はビールだ。ロクにお酒を飲めもしないのにどうしてこんな調査をしようと思ったのかと途中で大いに後悔したが、どうにかやり遂げたのでその結果を以下に発表していく。

神奈川県横浜市中区花咲町『一軒め酒場 桜木町店』。
設置当時の店名は『だんまや水産 桜木町店』。男子トイレはかなり狭く、1据しかない小便器に設置してある。的シールはなし。稼働はしてなかったが電源を切ってるだけかもしれない。

トイレッツの写真その1です

神奈川県川崎市川崎区駅前本町『養老乃瀧 京急川崎駅前店』。
こちらも狭い造りの男子用小便器1据に気合いで設置してある。電源オフの非稼働状態だが故障なのかどうかは不明。

トイレッツの写真その2です

神奈川県横浜市鶴見区豊岡町『養老乃瀧 鶴見西口店』。
このグループのトイレの造りがだんだんわかってきた。小便器1据に1台健在。センサーはやや右寄りの配置され、コードが整理されておらずニョロニョロと表に出ているのが特徴。稼働するかどうかは不明だが、的シールが残っているのは嬉しい。

トイレッツの写真その3です

東京都武蔵野市吉祥寺南町『一軒め酒場 吉祥寺南口店』。
注文を済ませ、トイレに行ってみる。1階奥にあるトイレは男女兼用の洋式トイレでトイレッツを設置することが出来ないタイプだった。そのため、このお店は撤去済みと一度は判定したが、家に帰りよくよく考えるとどうもおかしい。あの狭さでは洋式トイレを1据置くのが精一杯で、トイレッツが設置可能な男子用小便器をプラスして置くことは不可能なのではないか。しかし、設置されたという履歴がある以上、考えられることはひとつ。2階にトイレがあるパターンだ。
その疑念を晴らすべく、後日再訪した。だがもうひとつ問題があった。1階にトイレがある以上2階のトイレに行く理由がないのだ。しかもこのお店は混雑時に2階営業を開始するようで、最初から2階に席を陣取ることも難しい。サワーをチビチビやりながら様子を伺っていると、テーブル席にいた一人客がふらりと立ち上がりまっすぐ階段を上がっていった。トイレなら1階にあるのに何故? と思ったら、1階トイレから人が出てきた。そうか、あの人は1階トイレが使用中なのを知っていたのか! つまりこの理屈があれば2階トイレの使用もまた可能なのだ。
早速タイミングを図ってさりげなく2階トイレへの侵入に成功。
おお、あった!
しかも「鼻から牛乳」1台稼働中だ! 的シールも健在だし諦めないでよかった……。

トイレッツの写真その4です

養老乃瀧株式会社の本社があるのは東京都豊島区西池袋で、東京芸術劇場と池袋駅の間に位置する好立地である。持ちビルである養老乃瀧池袋ビルには、地下1階に『だんまや水産 池袋南口店』、地上1階に『一軒め酒場 池袋南口店』、2階に『養老乃瀧 池袋南口店』、3階に『韓激 池袋南口店』があり、いわば養老乃瀧グループの旗艦店的な意味合いを持っている。
そしてリストによると、このすべての店舗にトイレッツが設置されたとの記録が残っている。ならば、このビルの全店に行ってみるしかないじゃない……。

ビルの案内です

東京都豊島区西池袋『だんまや水産 池袋南口店』。
2据のうち1据1台のみ設置で、ソフトは「小便小僧」。的マークもバッチリで、デジタルサイネージとしての役割も遺憾なく発揮していた。

トイレッツの写真その5です

東京都豊島区西池袋『養老乃瀧 池袋南口店』。
養老乃瀧オフィシャルXアカウントからも情報をいただいていた通り、「小便小僧」が稼働中。ただ2台設置のうちの1台がコマンドプロンプト状態となっていたので調整が必要のようだ。ある意味貴重なモノが見えているとも言えるが。

トイレッツの写真その6です
トイレッツのエラースクリーンです

1階の『一軒め酒場 池袋南口店』のトイレからはすでに撤去されていた。3階の『韓激 池袋南口店』からも撤去済みだが、2据のうち1据だけ的シールとセンサー設置用の金具が残されている。

そして、このビルにはもうひとつ隠れボーナス的トイレッツが存在する。それが4階の『YRイベントホール』だ。
かつて『養老乃瀧 池袋南口店』は2階、3階の2フロア営業で、さらに4階を宴会場として使用していた。それが2階のみの営業となり、3階には『韓激』が入った。分断された4階はイベントなどに使用できるホールへと姿を変え現在に至る。
その4階には、現在もトイレッツが1台設置されている。稼働可否は不明だが、ディスプレイの上のPOPも残されているのは貴重。

トイレッツの写真その7です

また、この養老乃瀧池袋ビルのさらに上、養老乃瀧本社内トイレにも設置していた可能性はある。もしこの真偽に関する情報をお持ちの方がいれば、ぜひお寄せいただきたい。

どうにか調査も終盤にさしかかり、残すところあと3軒となった。
養老乃瀧グループ以外にも、トイレッツが設置された飲食チェーン店として『串特急』がある。静岡県沼津市に本社を構える株式会社フーディアム・インターナショナルが運営する総合居酒屋チェーンで、現在東京には4店舗が営業中。そのうちの3店舗にトイレッツを設置した記録が残されていた。

東京都港区浜松町『串特急 浜松町店』。
男子用小便器の上部に、壁面へのディスプレイ設置のためのパーツが生々しく残されていた。果たしてこれはトイレッツの残滓なのか……。

男子トイレの写真です

東京都港区虎ノ門『串特急 神谷町店』。
平日夜8時過ぎだが、かなりの盛況ぶり。場所柄ほとんどがサラリーマン客のようだ。コロナ禍以降、会社での飲み会は減少傾向にあるというがなかなかどうして盛り上がっている。注文を済ませて早速トイレに行ってみると……おお、あるある……むむ!?
これはまさか、コインボックス……! ということは、これが噂に聞くデラックス版か!

トイレッツの写真その8です
トイレッツのコインボックスです

トイレッツにはオプションとしてコインボックスが2万5000円で販売され、10円を投入することでより熱いゲームバトル体験ができる“デラックス版”が存在する。
おしっこの量を計ることができる「溜めろ!小便小僧」のデラックス版では、店内週間ランキングを競うという機能がプラスされる。「ぶっかけバトル!鼻から牛乳」は「番長バトル ぶっかけバトル!鼻から牛乳」となり、月内に放尿した人とのおしっこの勢いを競うことでその月の番長を決定するというプレミアムバトルとなっているのだ。
デラックス版自体がいまやとても貴重なモノとなっており、ここはぜひともプレイしておきたいところなのだが生憎と全然尿意がやってこず、飲み物を追加注文してしばらく待ってみることに。
どうにか一回分くらいの量を溜め、10円玉を握りしめてトイレへと向かう。小便器の前にスタンバイして硬貨を投入すると「溜めろ!小便小僧 デラックス」へとバージョンアップする。調子よく放尿していき、最終的には328mlでどうにか第2位入賞。じつに清々しい!

2台のうちのもう1台のトイレッツには「番長バトル ぶっかけバトル!鼻から牛乳」が入っていたのだろうか。電源が落ちており、コイン投入口もガムテープで塞がれてしまっていた。また、男子トイレの入口扉にはトイレッツのステッカーも貼られていた。これも貴重品と言えるかもしれない。

トイレッツのステッカーです

そして最後は、東京都中央区日本橋『串特急 八重洲仲通り店』。
時間的に駆け込みになってしまったのだが、こちらでもコインボックス付き「溜めろ!小便小僧」が1台稼働中。ただ残念なことに投入口が塞がれており、通常版(デラックスタイプでは『お試し版』と表記)がプレイ可能となっている。

トイレッツの写真その9です

以上、東京都と神奈川県のトイレッツ調査で、9軒の飲食店で11台のトイレッツが存在し、うち5台が現在もプレイ可能ということが判明した。もちろん、確認したときがたまたま電源オフだっただけで、まだ動く可能性を秘めた6台の今後にも注目する必要があるだろう。
今回の調査で唯一、デラックス版が稼働していた『串特急 神谷町店』は極めて貴重なお店と言える。これが今日も明日も1ヶ月後もプレイできるとは限らない。メーカーサポートはとうの昔に終了しており、故障したが最後、おそらく直すことはしないだろう。プレイ希望者は今すぐにでも行くべきだ。

参考までに、お店は存在するがすでに撤去されているのが『一軒め酒場 新橋店(旧養老乃瀧 新橋烏森口店)』『一軒め酒場 川崎仲見世通り店』『養老乃瀧 錦糸町店』『韓激 月島店(旧だんまや水産 月島店・的シールのみあり)』『一軒め酒場 横須賀中央店(旧養老乃瀧 横須賀中央店)』『一軒め酒場 歌舞伎町店(旧養老乃瀧 歌舞伎町店)』。上記店舗以外のリストに記載の店舗はすべて閉店し、同系列での後継店もない。

ここで前回に続き追加の情報をお伝えしよう。
東京と神奈川の調査が完了して、それで終わっておけばいいものを、つい千葉の候補店に行き発見してしまったのだ。
それが、千葉県鎌ケ谷市道野辺本町の『串特急 鎌ヶ谷駅東口店』だ。
2据のうち1据に1台「小便小僧」が稼働している。しかも、10円投入でより楽しいデラックスタイプだ。こうも串特急でのデラックス稼働率が高いといよいよ無視できなくなってきた感じがあり、少々頭を抱えている。

トイレッツの写真その10です

以上が約1ヶ月半に及んだ調査の全貌だ。
関東でいえば千葉県と埼玉県がまだ調査しきれていないが、それは設置リスト完全版が発見されたらおいおい考えることにする。

もし、関東に限らず全国のトイレッツ設置店を発見したらぜひ情報をお寄せいただきたい。
BEEPのアカウント(@BEEP_SHOP)か、私個人のXアカウント(@saladbarM)にトイレッツ情報ツリー(#トイレッツ)があるのでそちらまで。ここでは載せなかったお店の外観などの情報もあげていく予定だ。

トイレッツのサポートが終了している状況を思えば、今残されたお店でプレイできる時間もあまり多くはない。中にはオークションなどで個人購入に踏み切るツワモノもおられるようだが、さすがにトイレッツの中古購入はちょっとイヤかな……。BEEPは持ち込まれたら買い取るんだろうか? ← 買い取ります!(BEEP買取班より)

未プレイの男性諸君は今回の調査を参考に、ぜひお店に足を運んでゲームをし、パチンコをし、おおいに食べて飲んでから『トイレッツ』を全力でプレイしてみよう。

それでは、よき『トイレッツ』ライフを。

 

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