ファミリーコンピュータ『チェスター・フィールド 暗黒神への挑戦』

「チェスター・フィールド “暗黒神への挑戦”」は、1987年7月30日にビック東海から発売されたファミリーコンピュータ用アクションロールプレイングゲームです。

オープニングに“EPISODE Ⅱ”と出ますが、現在までのところ“EPISODE Ⅰ”も“EPISODE Ⅲ”も存在しません。
囚われの身となったガルドレド王国の王妃と王女を救うために、騎士ケインが簒奪者・ゲモン将軍に戦いを挑むという冒険活劇です。

1987年はファミコン発売から4年が経過し、年間の発売タイトル数が100本を突破。
1月には「ドラゴンクエストⅡ 悪霊の神々」が発売された年でもあり、百花繚乱のファミコン全盛期が花開く時期でした。

本作のゲーム中のグラフィックや音楽は、ファミコン前期の素朴さを残したある種癒やされる雰囲気となっています。

特に注目したいのは武器屋や宿屋などのお店に登場する女の子のグラフィック。
少ない色数とサイズでありながら見事に可愛さを表現しており、思わず用もないのにお店に入り浸りたくなるほどです。

発売は、前年「アイギーナの予言」をリリースしたビック東海。
本作の翌年にはあの「突然！マッチョマン」をあまりにも突然送り出している、その筋の方にはこたえられない快作を連発するメーカーです。

1990年にはアクションゲーム「まじかるキッズどろぴー」をリリースし、そのロックマンライクなテイストでゲーマーたちの度肝を抜きましたが、共通しているのは女の子のグラフィックの力の入れ具合です。

本作の密かな楽しみにパスワード入力画面があります。
可愛い女の子のグラフィックの隣に「あなた　いれかたが　へたね！」という文言が表示されるあざとい仕様は、ウブな小中学生男子をなぜか興奮状態へと陥れたものです。