
アイテム情報

■発売日
1990年12月1日
■概要
『PCエンジンGT (PC-GT001)』は、1990年12月1日にNECホームエレクトロニクスより発売された、携帯型のPCエンジンです。
付属品は本体とストラップで、当時の定価は44,800円でした。
本機は、据え置き機であるPCエンジンのHuCARDソフトを外出先でそのままプレイできてしまう、まさに「オーパーツ」のような存在です。
当時の携帯機市場は、スペックを抑えて電池持ちや低価格を優先するのが常識でした。
しかし、NECとハドソンには「どこでも据え置きと同じ体験をさせる」という、並々ならぬ執着があったのです。
世界初の「据え置き機と完全互換を持つ携帯機」として登場したその姿は、まさに「持ち運べるゲームセンター」。
ただ、あまりに高額なため子供がお年玉で買えるレベルではなく、「大人のための贅沢なガジェット」という立ち位置にならざるを得ませんでした。

■スペックについて
ハドソンとNECが本機に込めた執念は、その圧倒的なディスプレイ品質に集約されています。
当時の携帯機(初代ゲームボーイやゲームギア等)が残像の多いSTN液晶を採用していたなか、本機は残像の少ない2.6インチTFTカラー液晶を搭載しました。
ゲームソフトも携帯用の「移植版」ではなく、据え置き機と全く同じ色数・スピードで動作します。
ただし、画面解像度の制約から「パスワード」などの細かな文字が潰れて見えにくいといった、特有の悩みも抱えていました。
また、ゲームギアと同様に「GT用TVチューナー(PI-AD11)」も発売されました。
「一切の妥協を排し、PCエンジンの性能を掌に凝縮する」という技術者たちの情熱が、この厚みのあるボディに詰め込まれています。

■評価
PCエンジンGTは、商業的な普及には至りませんでしたが、携帯機の歴史における技術的到達点として高く評価されています。
圧倒的な普及率と電池持ちを誇る『ゲームボーイ』や、価格と性能のバランスがとれた『ゲームギア』という強敵の壁は厚かったものの、そのスペックの高さは語り草となっています。
BEEPでも、液晶のバックライト換装やコンデンサの交換を施したGTは、今なお非常に人気の高いアイテムです。
経年劣化により多くの個体で音声不具合や液漏れが発生しているため、当店では修理依頼も承っております。
単3電池6本を湯水のように使いながら名作を楽しめる優越感は、他のハードでは決して味わえない「贅沢」と言えるでしょう。








