
アイテム情報

■発売日
1993年8月20日
■概要
LaserActive(レーザーアクティブ)は、パイオニアが発売した、レーザーディスク(LD)をベースとしたマルチメディアプレーヤーです。定価は89,800円でした。
レーザーディスク(LaserDisc, LD)は、映像と音声を記録した直径30cmほどの光ディスクで、1980年代から1990年代にかけて主に利用されていたメディアです。
当時主流だった、VHS(ビデオテープ)よりも大容量で主にカラオケ機器や映画やアニメの映像メディアとして利用されていました。
レーザーアクティブ、音楽CDや映像LDの再生を基本としつつ、専用の拡張ユニット(PAC)を装着することでゲーム機としての機能を追加できる、画期的なコンセプトを持っていました。
『メガドライブ』だけにとどまらず、ライバル機であるNECの『PCエンジン』等も遊ぶことができるゲーマー達にとっては夢のマシンといえるでしょう。
当時の黎明期にあったマルチメディア市場において、「映像とゲームを高画質で楽しむ」という未来を先取りしたハードに仕上がっています。

■メガLDとLD-ROM2(ロムロム)
LaserActiveの主力タイトルとなったのは、大容量と映像を活用した「FMVゲーム」(ムービーゲーム)でした。
『タイムギャル』や『ドラゴンズレア』といった、LDを使用したゲームの完全移植が楽しめると宣伝していました。
それぞれが、『メガドライブ』と『PCエンジン』のLDゲーム規格となっておりレーザーアクティブ独自の利点となっていました。
特に、『メガLD』の「3Dミュージアム」は専用周辺機器の「3Dゴーグル(GOL-1)」を活用したソフトで貴重な存在となっています。
高額すぎる価格設定と限定的なゲームジャンルが原因で、『メガLD』のゲームは20本程度、『LD-ROM2』と10本前後発売されるにとどまりました。
また、ほとんどのタイトルが後継機の『セガサターン』や他社の類似ハードの『3DO』や『PHILIPS CD-i』などでも遊べるようになっています。

■バージョン違いについて
レーザーアクティブは、「Pioneer版」と「NEC版」の2種類が存在します。
外見やスペックに違いはほとんどなく、色と社ロゴが少し異なる程度です。
「NEC版」は、「PCエンジンパック(PCE-LP1)」としてセット販売を行っており
もちろん「PCエンジン用PAC(PAC-N10/PAC-N1)」だけの単品販売もしていましたが、定価39,000円と非常に高額でした。

■トリビア
レーザーアクティブ開発の経緯は長く、1980年代にまでさかのぼります。
パイオニアはもともと、『SEEDシリーズ』という拡張機能を持ったテレビモニターの開発・販売をしていました。
その中には、『SG-1000』の機能をテレビに拡張する「SD-G5」のような、セガのゲーム機もラインナップ。
このつながりから、レーザーアクティブの開発につながったといわれています。
また、この当時のセガはレーザーディスクにもかなり力を入れており、体感筐体「アストロンベルト」や世界初のホログラムゲーム「タイムトラベラー」等もレーザーディスクを使った作品でした。
『バーチャファイター』でおなじみの基板、「MODEL1」等の3D技術に隠れてしまいましたが、「レーザーディスク」への可能性を追及していたことが伺えます。
この方向性がもっと流行していれば、「レーザーアクティブ」を使った移植版が出ていた未来があったかもしれません。










