
アイテム情報

■発売日
1994年5月(アメリカ)、1994年5月15日(イギリス)
■概要
『SEGA MULTI-MEGA』(セガ マルチメガ)は、セガが1994年に主に欧米市場で発売した、メガドライブとメガCDの機能を完全に一体化させた複合機です。
CDプレイヤーにもなる「メガジェット」といったコンセプトで、非常にコンパクトで洗練されたデザインが特徴です。
メガドライブのロムカセットとメガCDのCD-ROMソフトのプレイに加え、ポータブルCDプレーヤーとしても機能するという、オールインワンな性能を目指しました。
ただし定価は欧米で約300ポンド/ 350ドル(現在の価値に換算すると約5万円強)と非常に高額でした。
付属品として、専用のACアダプタとコントローラー(6ボタン)などが同梱されていました。
北米版のバンドルセットには、『セガクラシック』と『ソニックCD』、『エコー・ザ・ドルフィン』が付属。買ってすぐに楽しめる内容となっていました。
本機は、メガドライブとメガCDという拡張システムが辿り着いた究極系として、セガのハードの史の中でも一際美しいデザインとして好評です。
■スペック
『SEGA MULTI-MEGA』の最大のスペック的特徴は、メガドライブとメガCDが別体として存在していた従来のシステムに対し、一つの基板上に両方の機能を合体した点にあります。
複数のACアダプタが必要になる点や煩雑な接続ケーブルが不要となり、大幅に省スペース化と利便性が図られています。
スマートなボディのため、干渉する部分がないため『スーパー32X』の取り付けは問題なく行え、『メガアダプタ』についても取り付け可能です。
また、電池駆動にも対応し、本体前面にはヘッドホン端子や各種操作ボタンが配置され、携帯型のCDプレーヤーとしても使用可能でした。
しかし、その高密度な統合設計が、結果的に高い製造コストにつながり、高額な定価の一因となりました。

■評価
『SEGA MULTI-MEGA』は、高性能と洗練されたデザインにもかかわらず、高額な定価で販売台数は伸びませんでした。
すでに市場の関心が『セガサターン』に移りつつあった時期と重なっていたことも大きいです。
しかし、レトロゲームマニアの間では、その評価は非常に高く、現在は『ワンダーメガ』
バラエティ性の「メガドラタワー」に対し、マルチメガは「究極の効率化」を体現していると言えます。
■トリビア
非常にマニアックなバージョン違いが存在し、イギリスの語学教材会社であるリンガフォン(Linguaphone)社のライセンスで商品化されたモデルがあります。
このモデルは、『Linguaphone Education Gear』(リンガフォン・エデュケーション・ギア)という名前で国内でも通信教育教材として少数展開されました。
ライバルハードの『ファミコン』における「ファミコンスタディ」のように、単なるゲーム機としてではなく、教育・学習用デバイスとしての側面も持ち合わせていました。
セガがゲーム機を「マルチメディア・プラットフォーム」として捉え、多様なビジネス展開を模索していたことを示す貴重な歴史と言えるでしょう。











