
アイテム情報

■発売日
1994年9月1日
■概要
『AIWA CSD-GM1』は、AIWA(アイワ)が製造・販売した『メガドライブ』内蔵CDラジカセです。
正式な製品ジャンルは「メガCD対応CDラジカセ」とされ、ゲーム機能とオーディオ機能を一体化した異色のマルチメディア機器として登場しました。
本体下部のゲームユニットに『メガドライブ』の機能を搭載。
音楽CDの再生はもちろん、ラジオ受信やカセットテープの録音・再生など、当時の主要なオーディオ機能をすべて備えていました。
また、マイクミキシング機能にも対応しており、「ゲームも音楽もこれ一台で楽しむ」という、90年代らしいマルチエンターテインメントの発想が感じられます。

■機能
『AIWA CSD-GM1』は、『メガドライブ』および『メガCD』のゲーム機能と、アイワが得意とした高機能オーディオ技術を融合させた製品です。
外観は、当時のアイワ製品らしい丸みを帯びたデザインで、「平成レトロ」を象徴するスタイルとなっています。
オーディオ機能としては、CD再生、AM/FMラジオ受信、カセットテープの再生・録音に対応。
ただし、音質は同価格帯のラジカセと比較するとやや劣っており、複合機ゆえのコスト配分が影響したと考えられます。
ゲーム機能は通常の『メガドライブ』および『メガCD』と同等で、両ハードの豊富なタイトルをそのままプレイ可能。
さらに拡張ユニット『スーパー32X』にも対応していました。
ただし、カートリッジスロットが横向きに設計されているため、接続には本体を傾ける必要があり、実用面では推奨されません。
付属品は、コントローラーのほか、ゲームユニット接続ケーブルとAVケーブルが同梱。
コントローラーは初期型『メガドライブ』と同じ3ボタン仕様で、『メガドライブ2』以降に標準となった6ボタンの『ファイティングパッド6B』ではありませんでした。

■評価
本機が商業的に成功しなかった要因としては、複合機ゆえの中途半端さと高価格設定が挙げられます。
定価49,800円という価格は、一般的なラジカセとしてもゲーム機としても手が届きにくく、ユーザーからは「どっちつかず」という印象を持たれました。
また、発売時期が1994年9月と、次世代機『セガサターン(SS)』の登場直前だったことも致命的でした。
市場の関心が次世代CD-ROM機へ移行する中、前世代機の高額複合機には需要がほとんど残されていませんでした。
後年には、同様のコンセプトを持つサムスン電子の『NUON』やPanasonicの『Q』なども登場しましたが、いずれも成功には至っていません。
しかし、ソニーグループの一員である“アイワ”と、ソニーのライバル企業であった“セガ”による異色のコラボレーションという点で、本機は現在でもコレクターズアイテムとして高い人気を誇ります。










