ファミリーコンピュータ『特救指令ソルブレイン』

「特救指令ソルブレイン」は、1991年10月26日にエンジェルから発売されたファミリーコンピュータ用アクションゲームです。

1991年にテレビ朝日系で放送された同名の特撮番組が原作です。「宇宙刑事ギャバン」に端を発するメタルヒーローシリーズに属し、さらに「特警ウインスペクター」からはじまるレスキューポリスシリーズの2作目としても知られます。レスキューポリスは凶悪犯罪に対抗するために装甲スーツをまとい、人命救助を第一として戦うヒーローがコンセプトです。そのため特撮によくある世界征服を企む組織のクリーチャーやメカが毎週大暴れという展開ではなく、人間による犯罪を描いているのも特徴のひとつです。

この設定はアクションゲーム向きとはいいがたいのですが、ファミコン版では特装救急警察ソルブレインが組織される前日譚という設定で、人工知能により意思を持ったロボット達の蜂起に立ち向かう姿が描かれます。主人公ソルブレイバーを操作してジャンプ＆パンチで敵を倒しながら進んでいきます。途中で拾うオプションパーツの組み合わせにより攻撃をサポートしてくれるオプションの形状と性能が異なり、それもゲーム性に直結しています。

総合的にはサクサクと楽しめる良作ジャンプアクションではあるのですが、デザインも登場キャラクターもほぼゲームオリジナルで、流れる音楽も特撮版とは違っているため、ソルブレインらしさがあまり見いだせないのが玉にキズです。海外NES版は「Shatter hand」というタイトルでソルブレインとはまったく無関係になっており、どうも元々別のゲームとして開発していたものにソルブレインの設定を乗せたというのが真相のようです。

とはいえ特撮原作のゲームは貴重です。ましてやファミコンで発売されたメタルヒーローシリーズもレスキューポリスシリーズも本作1本だけですから、脳内補完をしっかり行って存分に楽しんでください。