
アイテム情報

「火の鳥 鳳凰編 我王の冒険」は、1987年1月4日にコナミから発売されたファミリーコンピュータ用アクションゲームです。 漫画家・手塚治虫がライフワークと位置付けた一連の漫画シリーズ「火の鳥」の一篇をもとにして、1986年12月20日に劇場公開されたアニメ映画が「火の鳥 鳳凰編」です。その約半月後に発売された本作は、角川映画が仕掛けたメディアミックス展開の一翼を担った初のファミコンゲームタイトルとなりました。

ちなみに1983年の角川映画「幻魔大戦」もパソコンゲーム化はなされていますが、メディアミックス的な試みというよりも映画のヒットに一口乗る形で制作されたものです。このパソコンソフト「幻魔大戦」のプログラムを担当したのが、Beepの連載エッセイでもお馴染み、高橋ピョン太氏です。

ただでさえ重厚で入り組んだ「火の鳥」の物語をアニメ映画にするには「鳳凰編」のごく一部を切り取ってアレンジするしかなかったことからもわかるように、アクションゲームでストーリーを描ききるのは相当に無理があります。そのあたりは開発のコナミもアクションとしての面白さを重視した造りに仕上げる割り切りを見せています。古代日本を思わせる大和ステージからスタートし、やがて未来世界や太古など時空を越えて冒険していく構成は、永遠の時を生きる超生命体・火の鳥らしさを表現していると言えます。

余談ですがアニメ「火の鳥 鳳凰編」では我王の登場シーンはかなり少なく、もう一人の主人公である茜丸の方にクローズアップしています。このゲームは「我王の冒険」というアナザーストーリーとして楽しむのが正解なのです。メディアミックスらしさといえば、映画の主題歌となった渡辺典子の「火の鳥」のサビが本作でもチラッと聴けますので
エンディングまで頑張ってみてください。