ファミリーコンピュータ「2010 ストリートファイター」

■2010 ストリートファイター

「2010 ストリートファイター」は、カプコンから1990年8月8日に発売されたファミコン用スクロールアクションゲーム。「2010」は“にいまるいちまる”と読みます。
『ストリートファイター』というタイトルから、同社の対戦型格闘ゲームを連想させますが世界観はまったくの無関係です。
しかしNES版では、初代「ストリートファイター」のケンが格闘世界一となった後に科学者となり、殺された親友（リュウではない模様）の仇討ちのために戦うストーリーとなっています。これは当然、正史からは抹殺されたパラレルワールド設定です。

ファミコン版ではギャラクシーポリスのケビンを操作し、多彩なアクションを駆使して各ステージのターゲットを倒しながら全19ステージを戦います。ゲームの雰囲気としては同社の「ロックマン」シリーズを想像するとわかりやすいでしょう。
本作のゲームデザインは「大魔界村」「ミッキーのマジカルアドベンチャー」などを手掛けた山本尚司氏が担当しており、難度は高いもののよく練られた面構成と演出でしっかりと遊ばせてくれます。特に「大魔界村」との類似性が随所に見られるのは興味深いところ。
あ、アーケード版「大魔界村」は1988年発売ですので、こちらの方が後の作品です。

そして本作発売の翌年となる1991年に、満を持して「ストリートファイターII」がゲームセンターで稼動を開始します。もしもこの作品がヒットしていたらストⅡの誕生は遅れ、格闘ゲームの未来は大きく変わっていたかもしれない……
そんなあり得たかもしれないもうひとつの歴史に思いを馳せてみるのも面白いかもしれません。