ライバルという存在

アルファ電子コラム第41回のイラストです

アルファ電子は販売を他の会社に委託するゲームメーカーでしたので、どうしても大手メーカーと企画が競合しないゲームがメインになってしまいがちでした。
だからなのか、私は自社販売が出来るメーカーの企画開発部への憧れが強く、中でもナムコとセガは別格的に思って一方的に意識していました。
『R360の筐体でプロレスゲームを…!!』というのは決してネタでは無く、当時本気で思っていましたね。

今回の『知られざるアルファの世界』はそんな想い出語りです。

◆ 鳩野さんにもうちょっと聞いてみました! ◆

・ライバルや目標としていたメーカーで、鳩野さんが特に評価しているタイトルを教えてください。

下記、私が特に評価しているタイトルとなります。

■ナムコ『源平討魔伝』
ジャンプアクションと『黄金の城』チックな2D剣劇アクションが両方楽しめる贅沢な作り。
日本史上で最も華やかな戦だった時代というファッション性。
本当はこういう硬派なゲームが作りたかったです(笑)。

■セガ『ファンタジーゾーン』
ゲームミュージックを初めて意識した作品でした。
明るくポップな色使いで、コインを投入する前からワクワクさせて頂けるゲームでした。
中古基板まで買ったほど惚れ込んだシューティングゲームです。

■データイースト『ファイティングファンタジー』
RPG要素を取り入れた硬派な対戦アクションでした。
単なるアクションだけでなく、戦いに勝利して得た報酬で武器や強化アイテムを購入・装備する要素があって、RPGのようなキャラクター育成の楽しみもありました。

・鳩野さんが入社したころまでアルファ電子はセガ販売のタイトルを手がけていました。そうしたところで技術的な交流はあったのでしょうか?

技術交流的なものは無かったと思います。
少なくとも私はハード課の人たちから聞いた事が無いですね。

・ハード課の人たちは、セガのどんなところを意識していたのでしょう?

会社が購入した野球盤チックなバッターが付いている野球ゲーム(すみません、名前を忘れました)【※】のコンパネと基板を解析していたのが印象深いですね。
また、会社の前のボーリング場に普段は出掛けない方たちも、セガの大型筐体の新作が入ると見に行ってました。
セガの基板には何か常に新しいものが詰まっていたのだと思います。
※おそらく1987年の『スーパーリーグ』だと思われます

スーパーリーグのチラシです
▲『スーパーリーグ』のチラシ。じつはセガ ・システム16のタイトル第1弾は1986年の『メジャーリーグ』で、これも特殊コンパネを使った野球ゲームでした。ただ、バッティング操作部はバットを模した金属レバーになっているため、鳩野さんの「野球盤チックなバッターが付いている」といった部分では、こちらが解析対象だったのかな、と推測されます。ちなみに後にリリースされるシステム18の野球ゲーム『クラッチヒッター』では特殊コンパネではなく、通常のレバー+3ボタン操作になりました。

・データイーストとの類似性は対戦格闘ゲームのキャラクターがわかりやすいところですが、そのほかに「ココはけっこう似ているな…」と感じているところはどのへんですか?

忍者が流行れば忍者に飛びつくといったようなアンテナ面と、大手メーカーとのバッティングを避けるかのような、どこか天邪鬼が入ったヘンテコな企画面です。
あとこれは結果論ですが、イロモノとカテゴリライズされるゲームキャラの評価が突出して高いところも…(笑)。

 

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著者紹介
鳩野 高嗣 (はとの たかし)

フリーランスのゲーム制作者・グラフィッカー。 タイヨーシステム(カルチャーブレーン)~アルファ電子(ADK、フォンキャスト)~TENKY~dropといったキャリアを経て、現在に至る。
アルファ電子には1986年から2001年まで在籍しており、同社の黄金期から末期までの歴史・実情を知る人物である。 関わった作品は『ラギ』『痛快GANGAN行進曲』『ワールドヒーローズパーフェクト』『テニスの王子様-SWEAT&TEARS-』シリーズ、『マイネリーベ2』など多数。

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