名作のリニューアルで試みたこと

アルファ電子コラム第36回のイラストです

昔、楽しんでいたゲームでも時が経ってからプレイしてみると色あせた感覚になった経験はありますか?
私にとっては『チャンピオンベースボール』がそうでした。
それをリファインして当時流行の王者『ファミスタ』に勝てというのは余りにも無謀な使命でした。

今回の『知られざるアルファの世界』は、制限の多いアーケードゲームとそれ用の基板で”王者”に勝つ為のアイディアを詰め込んだ企画者のお話です。

◆ 鳩野さんにもうちょっと聞いてみました! ◆

・『チャンピオンベースボール』がビデオゲームの野球の元祖だと思いますが、それでも『ファミスタ』は意識しなければいけない存在だったのですか?

やはり、1987年に『チャンピオンベースボール』を遊ぶと不自由さを感じましたね。
確かにエポックメイキングではあるのですが、いかんせん古いんですよ、遊びが。
どう贔屓目に見てもこれでは勝てないと肌で感じました。

・『チャンピオンベースボール』はセガ販売で、『スーパー~』はSNK販売でした。続編が違うメーカーから出ることに障害はありませんでしたか?

『チャンピオンベースボール』の著作権利を調査して頂きました。
その結果、アルファ電子が使用しても全く問題が無い事が判明しました。

・80年後半ごろというと、芸能人そっくりのキャラの脱衣麻雀があったり、有名人そのものが漫画に出ていたり、肖像権に関してはけっこうユルい印象ですが、実際はそうでもなかったのでしょうか?

脱衣麻雀の場合、肖像権は明らかに侵しているのですが、名前までは出していないという点で”逃げ道”が用意されているんです。
『スーパー~』の場合は選手の実名(ひらがな、カタカナのみですが)を出していた為、”逃げ道”が無かったんですね。
これにはさすがのオペレーターもビビッてしまったそうです。

アメリカでは選手名のイニシャルでもアウトな程、肖像権が厳しく、海外版では日本の選手のまんまを流用していますが、ロムの中にはラソーダ監督などのグラフィックが眠っています…(笑)。

・『チャンピオンベースボール』はまぎれもなく大ヒット作品です(セガの公式サイトでもそう書かれています)。一方で『スーパー~』はどれくらいの販売数だったのでしょう?

国内は250枚~300枚程度だと思います。ヒットには程遠い枚数ですね。
アメリカの方が枚数的には売れたのではないでしょうか。

ちなみにバスター(バントをキャンセルしてから振る)を採用した初のゲームが『スーパー~』です。

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著者紹介
鳩野 高嗣 (はとの たかし)

フリーランスのゲーム制作者・グラフィッカー。 タイヨーシステム(カルチャーブレーン)~アルファ電子(ADK、フォンキャスト)~TENKY~dropといったキャリアを経て、現在に至る。
アルファ電子には1986年から2001年まで在籍しており、同社の黄金期から末期までの歴史・実情を知る人物である。 関わった作品は『ラギ』『痛快GANGAN行進曲』『ワールドヒーローズパーフェクト』『テニスの王子様-SWEAT&TEARS-』シリーズ、『マイネリーベ2』など多数。

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