【第65回】新潟県長岡市「ゲームセンター テクノポリス」

新潟県長岡市宮内、2025年12月30日。

恒例にしたつもりはないがなんと3回目となる年末帰省シリーズ新潟編だ。
実家が新潟なのでその近辺に偏りがちで、同じところばかりに行ってる気もするけどたったの1年2年で状況は変化してきている。その記録だと思ってお付き合いください。

とはいえ。
三条市は2年連続で訪れているし、もうちょい北にある阿賀野市とか新発田市とかそっち方面かなぁ……とうっすら考えはじめた頃、2024年の年末に行った『出雲崎レトロミュージアム』(第42回参照)の閉館が報じられた。レトロをテーマにしたこの私設博物館はおもちゃを中心とした展示から大人も楽しめる昭和レトロ展示へと舵を切り、2025年2月にリニューアルオープンしたばかりだった。しかし、いくつかの理由から2026年2月1日が本当の営業最終日になることが決まってしまった。
つまりタイミング的にはこの年末がラストの訪問チャンス。大晦日も営業してくれるというしこれは行かねばならないだろう。

それを踏まえて検討した結果、長岡市に一泊することにした。
夏は花火、冬はスキーで人気の新潟県第二の大都市ではあるが、調べた限りでは私の求めるゲーム系スポットはやや層が薄い印象だ。
80年代にはナムコの直営店・プレイシティキャロット長岡店があり、新潟市のカミーノ古町のキャロットで入手しそこねたナムコの広報誌「NG」を求めて訪れたことがあった。結局は入手できなかった上に中学生にとってはあまりに遠く、道中とても不安になったことを鮮明に覚えている。

今回は東京から高崎、高崎から水上、水上から宮内と乗り換えながら、新幹線を使わずに在来線でやってきた。自宅から6時間あまりの鈍行の旅だ。そういうのんびりした移動が好きで学生の頃からたびたびやっていたが、齢を重ねるごとになかなか身体に堪えるようになってきた。

JR上越線の宮内駅改札を出て東口へ。新宿駅からパスモで入ってから一度も改札外に出ていなかったので残金が足りず現金で精算する。まぁまぁの金額ではあるが、新幹線の約半額はやはり得した気分。

宮内駅東口の写真です

どんより曇った空からはパラパラと小雨が落ちてきていた。これぞ見慣れた新潟の風景。
人影が少ない駅前だが、ロータリーの向こうに行列ができているのが見えた。一瞬ためらったが覚悟を決めて列に加わる。むしろずっと座りっぱなしだったのだから立って軽く体をほぐしておいたほうがいい。

行列は意外と早く進み45分ほどで着席できた。食券を渡してしばし。やってきたのは長岡生姜醤油ラーメンだ。その元祖と言われるのがここ『青島食堂』なのだ。
まずはレンゲでスープを一口啜る。コクのある醤油とふわりと広がる生姜の風味。もちっとした中太ストレート麺がスルッと喉を駆け下りていく快感に、たっぷりのメンマやチャーシューの存在感が頼もしく寄り添う。外の寒さを経て提供された熱々の一杯はそれ自体がもはや調味料だ。思わず笑みがこぼれた。

ラーメンの写真です

ちなみに『青島食堂』は東京・秋葉原にも支店があり、こちらも行列店として名を馳せている。この原稿を書きながらもう食べたくなってきているが、なんならすぐにでもあの味が楽しめるというのは本当にありがたい。

大満足なお腹を擦り、今度は駅反対側の西口へ。
雨の中、傘を差しながら数分歩けば見えてくるのが『ゲームセンター テクノポリス』だ。

テクノポリス外観です

2001年にオープンしたこちらは“テクノポリス”“ラウンジ”“セカンドスタイル”の3フロアに区切られている。
長岡マリオンという映画館を2000年に引き継いだシネマチャオの一角でゲームセンター営業を開始。やがて3スクリーンあったシネマチャオが2007年に閉館し、そのフロアも借り受ける形で現在の独特なスタイルでの営業となった。元が映画館ということもあって天井が高く、サイドカーテンの一部らしきものがそのまま残されている。また、奥のフロアはいまでもホールとして保存されており、イベントで使用することもあるのだそう。

テクノポリス店内その1です

“テクノポリス”フロアは対戦格闘ゲームやオンライン系ゲームなど、比較的新し目のラインナップが特徴。毎日のように大会が行われ熱闘が繰り広げられている。その様子はYouTubeのライブ配信でも観ることができる。
注目は入口すぐ横にあるネオジオ筐体MVS-U4/29インチの存在感。
『サムライスピリッツ』(SNK/1993)、『ワールドヒーローズ2』(ADK/1993)、『ASOⅡ』(SNK/1991)、『ブレイジングスター』(SNK/1998)と懐かしの4枚入りが堂々の現役だ。

テクノポリス店内その2です

また『対戦ホットギミック5 未来永劫』(クロスノーツ/2006)はかなりのレアモノなのでお見逃しなく。ちなみにこのフロアのみ電子タバコOKで、あとはすべて禁煙となっている。

テクノポリス店内その3です

中央の“ラウンジ”はカフェバーとなっており飲食が可能。映画館時代はロビーにあたる場所だったようで、隣のスクリーンフロアへの扉が今でもシアター仕様のままなのが映画ファンには堪らない。
こちらはダーツがメインでゲーム機は少ないのだが、よくよく見るとメンテナンス中の名機がひっそり置かれていたりして思わず目を細めてしまう。

テクノポリス店内その4です

さらにはゲーム関連グッズや筐体用パーツなどの販売も行っており、その意味でも映画館のロビーと同じ機能を持つフロアといえる。また不用品やジャンクを安価で販売するチャリティコーナーもあるのでチェックしておきたい。つい『ロード オブ ヴァーミリオン』のテスト用カードというあまり意味のなさそうなものを購入してしまった。

テクノポリス店内その5です

そしていよいよスクリーンフロアに相当する“セカンドスタイル”に入ると、このタイプのゲームセンターにしては高い天井が開放感のある印象を与えてくる。設置されたゲームもガンダム系対戦ゲーム、カード対戦ゲーム、音楽ゲームなどの最新作を押さえつつ、シングルのオールドビデオゲームも多数取り揃えている。
さらには貴重品となりつつある大型筐体も『ダライアスⅡ』(タイトー/1989)、『アウトラン2 SP』(セガ/2004)、『アフターバーナ― クライマックス』(セガ/2006)などが稼働している。特に『ダライアスⅡ』二画面筐体は全国でも稼働の数少ないプレミアムな逸品だ。

テクノポリス店内その6です
テクノポリス店内その7です

動いていないが『オペレーションウルフ』(タイトー/1987)のオジリナル筐体があったり、『ガントレット・レジェンド』(ミッドウェイ/1998)の筐体を使い『天地を喰らうⅡ』(カプコン/1992)の3人同時プレイを実現している点も見逃せない。3人同時プレイといえばいまや珍しくなってきた『火星チャンネル』(セガ/1999)の姿も。
また『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム ver.5.66』(セガ/2000)はドリームキャストのツインスティックが接続されビジュアルメモリが使えるようにしてあるという恐るべきこだわりようだ。

テクノポリス店内その8です

奥の方にはテーブル筐体が2台。エアロテーブルには『源平討魔伝』(ナムコ/1986)、もう1台には『グロブダー』(ナムコ/1984)が入っている。
『グロブダー』は高難度で知られるゲームだが、長岡ではリリース直後から盛り上がり、かなりプレイヤーのレベルが高かったとも伝えられている。今でもその熱気を絶やすことなくロングラン稼働を続けているというのはなんとも胸アツな話ではないか。
また、RTA in Japan Winter 2021においてノーマルランクワンコインで完走を遂げたのがまさにここに設置された『グロブダー』であるという点も、テクノポリスとここを訪れる人達の熱量の高さが伝わるエピソードだろう。

テクノポリス店内その9です

稼働ラインナップやメンテナンス、工夫が施されたプレイ環境と至れり尽くせりの細かなサービスは全国的に見ても非常にハイレベルなホスピタリティのビデオゲームセンターといえる。せいぜい帰省時にちょっと立ち寄るくらいしかできない身としては、なんとも羨ましい限りだ。

新潟にご縁がない方も、長岡花火大会や新潟5大ラーメン巡りで訪れたときにはぜひお立ち寄りいただきたい。ちなみに宮内駅近くには摂田屋地区という日本酒、醤油、味噌など発酵食品を製造する企業が集中しているエリアもあり、雰囲気もよいのでそちらもオススメしておきます。

長岡、侮っててすまなかった。

テクノポリスの写真その2です

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著者紹介
さらだばーむ

目も当てられないほど下手なくせにずっとゲーム好き。
休日になるとブラブラと放浪する癖があり、その道すがらゲームに出会うと異様に興奮する。
本業は、吹けば飛ぶよな枯れすすき編集者、時々ライター。

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