【第20回】ゲーム人生のお供に──『どうぶつの森』シリーズ

毎度、名作ゲームを紹介してきた連載コラム『髙橋ピョン太のおニューもレトロも』。第20回のテーマは『どうぶつの森』シリーズです。気づけば四半世紀近く遊び続けられているこのシリーズは、連載20回目という節目にふさわしい大作ゲームだと、勝手に盛り上がっています。この形態でのコラム連載は今回が最終回となります(リニューアル予定)。そのため、少々『どうぶつの森』への愛を熱く語りすぎてしまうかもしれません……(実は語りたい)。

 

 

現実世界と同じ時が流れている仮想世界『どうぶつの森』

 

いわずと知れた『どうぶつの森』は、任天堂が開発した人気のゲームシリーズです。シリーズごとに環境が異なる村や島などを舞台に、プレイヤーは住民としてゲーム内のまさに”どうぶつの森”の動物たちと交流を楽しみます。釣りや虫捕り、家具やアイテムの収集など、自由な「スローライフ」を満喫できるライフシミュレーションゲームというシリーズ共通のコンセプトが特徴のゲームです。

また、全シリーズに共通する特徴として、現実世界と同じリアルタイムの時間や季節の流れが反映される仕組みがあります。私たちの生活が朝を迎えるとゲーム内でも朝になり、時間の経過とともに夜は夜に対応し、四季折々の変化もゲーム内で楽しむことができます。この仕組みこそが「スローライフ」の本質です。たとえば、カブトムシやセミは夏にしか採集できず、冬には村や島が雪景色に包まれます。その時期を逃すと、次に体験できるのは1年後になるのです。『どうぶつの森』にはお店などの施設があり、それぞれ営業時間が設定されています。また、住む動物たちも多くの種族が深夜には眠るため、夜型のプレイヤーがなかなか会えない動物や、店の営業時間内にプレイできず苦労するケースもあります。こうしたゲームプレイが現実の時間軸に影響される仕様は、画期的でした(ゲーム機の時計を強制的に変更してプレイする人もいました)。

ゲーム内では、プレイヤーが自身のキャラクターをアバターのように見た目を自由にアレンジできるほか、プレイヤーの住む家や部屋の模様替え、家具やアイテムのデザイン、さらには地形そのものをカスタマイズすることも可能なシリーズもあります。

ゲーム内で何かをするためにはお金が必要になりますが、各シリーズにはそれぞれの経済圏が確立されています。村や島固有のくだものを収穫したり、魚や虫を採取したりして、それらを売却して得たお金でほしい家具やアイテムを購入します。稼げばより大きな家が建てられます。このサイクルが『どうぶつの森』シリーズの魅力の一つです。『どうぶつの森』はゲーム機の進化とともにシリーズ新作が発売され、プレイヤーがデザインやレイアウトを自由にアレンジできる要素がますます充実してきたのは、いうまでもありません。

 

『どうぶつの森』シリーズ履歴

 

シリーズは、2025年4月14日に発売24周年を迎えました。記念すべき第1作は、2001年4月14日にNINTENDO64(以下、N64)向けに発売された『どうぶつの森』です。発売当時、『どうぶつの森』を任天堂はコミュニケーションゲームというジャンルのゲームとうたっていました。

 

初代『どうぶつの森』はNintendo64向けのゲームでした。

 

当時は、なんとも不思議なゲームが登場したという印象でした。ゲームにはRPGのようなストーリーもなければ、何かをクリアしなければならないという目標もありません。何をしても良いし、何もしなくても構わないという自由さが特徴で、毎日少しずつ何かしらの作業をしてゲームを閉じ、また次の日にゲームの世界へ遊びに行くというスローライフなスタイルは、心地よさを感じる人には魅力的でした。しかし、ヘビーなゲーマーにとってはやや物足りなく映ることもあったようです。

『どうぶつの森』は発売直後にはあまり理解されませんでした。しかし、その面白さは口コミで徐々に広まり、「『どうぶつの森』って面白いよ」と話す人が増えてきた頃、なんと2001年9月14日にN64の後継機となるゲーム機ニンテンドー ゲームキューブ(以下、ゲームキューブ)が発売されました。そして、同年12月14日にはゲームキューブ用ゲーム『どうぶつの森+』が登場します。『どうぶつの森』の発売からわずか8ヵ月後という異例のスピードで新作がリリースされました。この異例の早さにはそれ相応の事情があったことを理解することが、レトロゲームの歴史を学ぶ上で重要だと思いますので、ぜひ覚えておいてください。

 

初代『どうぶつの森』の発売から8カ月後に新作として登場した『どうぶつの森+』

 

スーパーファミコンの後継機として開発されたN64は、1996年6月23日に発売されました。初代『どうぶつの森』が発売された2001年には、N64は発売からすでに5年が経過していました。1990年代中期には当時の「次世代機」のひとつとして広く知られていましたが、光ディスクを採用する次世代機が増加する中で、N64はスーパーファミコンに続いて採用していたROMカセットの容量不足がボトルネックとなっていました。その結果、時代とともに大型化するゲームに対してスペックが徐々に追いつかなくなる状況が生じていました。

 

N64版『どうぶつの森』はROMカートリッジでした。

 

また、N64は高性能ゆえにゲーム開発が難しく、メーカーにとって参入の障壁となっていたため、発売当初から慢性的なソフト不足が続いていました。さらに、ROMカセットの容量不足が足かせとなり、その結果、N64の出荷台数は同世代機と比較して低迷することとなりました。こうした課題を克服するために開発されたのがゲームキューブです。ゲームキューブは、ソフトの開発を容易にすること、高性能の追求よりも安定した性能を実現すること、そしてソフト供給媒体の容量不足を解消することを重視して設計されました。

ゲームキューブが発売された2001年は、21世紀の幕開けの年でした。そして、ゲームキューブは21世紀最初のゲーム機として誕生しました。

 

2001年の日本では、テクノロジーが急速に進化し、インターネットの普及が進んでいました。ネットカフェやモバイル端末が注目を集め始めた時期であり、1999年にはNTTドコモが「iモード」を、2001年には「FOMA」を開始するなど、日本は世界に先駆けてモバイルインターネットを導入し、成功しました。

通信手段も電話回線からISDN、CATV/ADSL、光ファイバーへと進化し、ブロードバンド時代へと突入します。この流れの中で、2001年9月にはソフトバンクBB(現:ソフトバンク)がサービスを開始し、駅前でADSLモデムの無料配布を行う大規模なキャンペーンを実施しました。街頭での無料配布や低価格戦略を展開した結果、日本は一気にブロードバンド時代を迎えます。その後、音楽配信や動画配信が普及し、インターネットは最強のメディアインフラとなっていきました。

一方、世界では(特に米国)、1999年から2000年にかけてドットコムブームが過熱し、「ネットバブル」と呼ばれる現象が発生しました。多くのネット企業が実績不足でバブル崩壊を迎える一方、「Web2.0」や「ロングテール」など、ネット特有の仕組みが次々と誕生。実績ある企業はこの時期に強固な体制を築き、ネットの成長に乗じてグローバル化を進めました。そして2020年頃には、Google、Amazon、Facebook、Appleが国境を越えた巨大な存在として注目され、その頭文字から「GAFA」と呼ばれるようになるのはいうまでもありません。

 

少し『どうぶつの森』の話から脱線してしまった感がありますが、そうでもありません。ちょっとここで、『どうぶつの森』シリーズの変遷を一覧にしてみたので見ていただけますか。

 

シリーズ一覧

 

スピンオフ作品一覧

 

N64版の初代『どうぶつの森』は、架空の村で動物たちと気ままに暮らすことができるゲームです。プレイヤーはカセットの中の村に住んで、他の住人と話をしたり、買い物をしたり、手紙を書いたり、好きなことができます。村には、最大4人のプレイヤーが住むことができます。4人同時プレイはできませんが、掲示板や手紙のやり取りを介してコミュニケーションを取ることが可能でした。また、村の地形、村に住む住人、住人たちの家の内装は、カセットごとにすべて異なっていました。

ゲーム内では「ファミコン」という家具を入手できることがあり、この家具を自分の部屋に設置すると、『ドンキーコング』『テニス』『ピンボール』『ドンキーコングJR.の算数遊び』など、実際のファミコンのゲームをプレイすることができました。ちなみに、遊べるゲームは手に入れたファミコン家具によって異なりました。

N64は、ゲームコントローラに差し込んで使用するコントローラパック(32Kバイトのメモリカード)にゲームデータをセーブする仕組みを採用していました。『どうぶつの森』は、コントローラパックに「おでかけデータ」を保存することで、友達がプレイする村(別のROMカセット)に遊びに行くことも可能でした。

ちなみに、コントローラパックが同梱された『どうぶつの森』のパッケージには、特典として「ファミコン」家具(遊べるゲームはランダム)や「ミュージック」(プレイヤーの部屋で再生できるBGM)、そして本作のスーパーバイザーである宮本茂氏からの「手紙」があらかじめ収録されていました。

 

コントローラパック同梱版『どうぶつの森』。上部がコントローラパック。

 

そして2001年12月14日、ゲームキューブ向けに『どうぶつの森+』が発売されました。早速、光ディスクで供給されます。前作の発売からわずか8カ月後に、しかも最新ゲーム機向けに発売されることになった『どうぶつの森+』は、それだけ任天堂にとっても期待値の高いゲームであり、ゲームもヒットさせたかったし、同時にゲーム機の世代交代の真っ只中で、ゲームキューブを何としてでも普及させたいという強い意気込みを象徴する出来事でもありました。

 

ゲームキューブ版『どうぶつの森+』。メモリーカードが同梱されていました。

 

供給メディアは8cm光ディスク。

 

ちなみに、ゲームキューブ用『どうぶつの森+』は2002年9月16日に『Animal Crossing』という英語タイトルで米国でも発売され、2004年9月24日には欧州版が登場しました。ゲームキューブ版『どうぶつの森+』は、シリーズグローバル化の始まりを象徴する作品になりました。

ゲーム内容は前作を踏襲しつつ、自分のデザインを服や傘に活かせる「仕立て屋」や、昆虫園や水族館も兼ねた「博物館」が追加されました。まさに『どうぶつの森+』にふさわしい進化です。さらに、新しい住民、家具や虫、魚の種類が増え、採集難易度の高い虫なども登場しました。ファミコン家具には新たに『ベースボール』『麻雀』『五目ならべ 連珠』『パンチアウト!!』などが追加され、遊べるゲームが増えたのも魅力的です。

また、ゲームボーイアドバンスを所有しているユーザーは、GBAケーブル(別売り)でゲームキューブと接続することで海上に島が現れ、渡し舟で島へ行ける仕組みが楽しめました。ゲームボーイアドバンスを介して友達と島を「交換」することも可能です。

『どうぶつの森+』では、メモリーカードを使って(データセーブ用に加えてもう1枚必要)、N64版同様「おでかけ」ができます。友達の村のデータが記録されたメモリーカードを借りれば、ゲームキューブ本体のスロットAとBにそれぞれ自分の村のデータと友達のデータをセットすることで、互いの村を手軽に行き来できるようになりました。

 

パッケージに同梱されていたメモリーカード。

 

『どうぶつの森+』は、任天堂のカードe(カードe+)にも対応していました。2002年10月には全90種類の『どうぶつの森+カードe』が発売されます。ゲームソフトと名前が似ているため少し紛らわしいですが、こちらはコレクションカードで、主に収集が目的となるアイテムです。また、ゲームボーイアドバンスやゲームキューブでゲームに拡張要素を追加できるカードでもあります。

『どうぶつの森+カードe』には、ゲーム内では知ることができないキャラクター(住民)の詳細なプロフィールが記載されているほか、ヒミツの「あいことば」も載っていました。この「あいことば」をゲーム内の手紙に書いて送ると、該当キャラクターから返信が届き、中にはプレゼントを送ってくれるキャラクターもいました。

また、カードe(カードe+)の情報を読み取ることができる別売の『カードeリーダー』『カードeリーダー+』にカードを通すと、カードに書かれているものとは別の「あいことば」を読み取ることができ、また違ったプレゼントを入手することもできました。

2003年2003年6月27日、シリーズ3作目となる『どうぶつの森e+』が発売になります。こちらのパッケージは『カードeリーダー+』が同梱されていました。つまり、『どうぶつの森+』と『どうぶつの森+カードe』、『カードeリーダー+』すべてを使った進化系『どうぶつの森』シリーズです。

 

『どうぶつの森e+』は、『カードeリーダー+』(写真右)同梱版のみ発売。

 

『どうぶつの森e+』のゲーム内容は、『どうぶつの森』を拡張したバージョン。

 

『どうぶつの森e+』では、新たなイベントや大幅なアイテムが追加され、さらにゲームボーイアドバンスがなくても島に渡れる機能が実装されました。また、『カードeリーダー+』とカードeを使用することで、住民を呼び出したりデザインを追加したりするなど、『どうぶつの森』の世界が一層充実しています。さらに、ゲームボーイアドバンスを接続すると、住民とのミニゲームやファミコンゲームの転送が可能になるなど、まさにシリーズの集大成といえる内容に拡張されました。加えて、(任天堂の)『SDメモリーカード』を使用することで、村の写真を撮ることもできるようになりました(画面キャプチャー)。

 

個人的な意見ですが……

 

正直なところ、個人的にはゲームキューブだけで遊ぶ『どうぶつの森+』がちょうどよかったのですが、そこにゲームボーイアドバンスや『どうぶつの森+カードe』を併用してプレイするとなると、少々複雑すぎてついていけない印象がありました。ただ、自分の好きなキャラクターのカードeを手に入れる程度はブームに乗って楽しんでいましたが。

そんな中で、2004年12月2日にニンテンドーDSが発売されました。ゲームボーイから続く任天堂のもう一方のゲーム機の系譜ですね。この頃は、携帯電話のiモードの成功をきっかけに、ゲームをモバイルで遊ぶ人が少しずつ増え始めた時期でした。iPhoneやAndroidのようなスマートフォンが登場する少し前の時代です。もちろんテレビの前で家庭用ゲーム機で遊ぶ人も引き続きいましたが、それと並行していつでもどこでも遊べるモバイルゲームの世界が確立されつつありました。

ゲームキューブで『どうぶつの森+』を遊ぶのが次第に面倒に感じられるようになり始めた頃(テレビの前に座ってプレイするのに少し気合が必要になってきた)、2005年11月23日にニンテンドーDS版『おいでよ どうぶつの森』が発売されました。その瞬間、心の中で「待ってました!」と叫びました。この時期には、『どうぶつの森』ってどんなゲームなんだろう?と思う人よりも、すでにゲーム内容をよく知っていて「待ってました!」と期待していた人たちがたくさんいました。いつでもどこでもプレイできる『どうぶつの森』は、まさに私たちが求めていた『どうぶつの森』だったのです。

 

待望の『おいでよ どうぶつの森』パッケージ。

 

『おいでよ どうぶつの森』は12月5日には米国で、12月8日には欧州でそれぞれ発売されます。ほぼ同時といってよいほど近々の発売ですよね。完全新作として発売された『おいでよ どうぶつの森』ですが、基本的な遊び方は変わりません。どちらかというとニンテンドーDSの機能にゲームを寄せてきたといっていいでしょう。

『おいでよ どうぶつの森』は、ニンテンドーDSのワイヤレス通信機能を使って、1つの村で最大4人まで同時プレイができるようになりました。もう友達の村に遊びに行くのにメモリーカードに「おでかけ」データを保存しなくてもいいんです。また、ニンテンドーWi-Fiコネクションを利用することで、インターネットを介して遠くの友達とも一緒に遊ぶこともできるようになりました。

『おいでよ どうぶつの森』はワイヤレス接続による同時プレイのほかにも、ニンテンドーDS特有の「すれちがい通信」機能で、現実の世界ですれちがった人とメッセージボトルやオリジナルの星座の交換ができます。

 

ゲームが持ち運べるようになったのは画期的でした。

 

ゲーム内容にも、新しい住民や家具、アイテムが追加されました。また、美容室で髪型を変えたり、博物館の喫茶店でコーヒーを飲んだり、天文台で星座を作って命名したりと、さまざまな新要素やイベントが盛り込まれています。これにより、これまで以上に自由気ままな「スローライフ」を存分に楽しめるようになりました。

さらに、『おいでよ どうぶつの森』では、これまでになかった同時プレイの要素が加わり、ほぼ現在の『どうぶつの森』シリーズの原点といえる作品となっています。このゲームはロングセラーとなり、日本国内で500万本以上、全世界で1100万本以上を売り上げる世界的大ヒット作となりました。

2008年11月20日には、Wii用ソフト『街へいこうよ どうぶつの森』が発売されます。が、ごめんなさい、私はWiiとWii Uゲーム機本体を買いませんでした。『街へいこうよ どうぶつの森』は、『どうぶつの森』シリーズで唯一遊んでいないゲームになってしまいました(スピンオフ作品はのぞく)。

この時期、2011年2月26日にニンテンドー3DSが発売されるまで、個人的には主にニンテンドーDSやスマートフォンのアプリでゲームを遊ぶことが多くなっていました。それが、WiiやWii Uを購入しなかった理由の1つでもありました。

そして、久しぶりの完全新作として登場したのが、2012年11月8日にニンテンドー3DS向けに発売された『とびだせ どうぶつの森』です。ニンテンドー3DSが発売されてから1年9カ月が経過しており、『どうぶつの森』シリーズのファンにとっては「いつニンテンドー3DS版が出るのか」と待ち望んでいた、まさに期待の新作でした。そのため、発売と同時にファンは次々と購入し、初週の売上は驚くほどのものとなりました。ちなみに、私自身も発売日に購入し、その日から早速プレイを始めましたが、全国各地でパッケージ版とダウンロードカードが品切れになり、買えなかった人も続出しました。

 

すぐに売り切れてしまった『とびだせ どうぶつの森』パッケージ版。

 

今作の『どうぶつの森』シリーズでは、プレイヤーはこれまでのように村の住人として生活するだけでなく、村長として村づくりを担当することになりました。基本的なプレイスタイルはこれまでのシリーズと同様ですが、より責任感を求められる立場となり、公共事業を手掛けることで村の発展に寄与する存在として迎えられるようになります。

 

村長になって、責任重大。でも村をカスタマイズしていく楽しみが増えました。

 

公共事業としてタワーを建ててみました。

 

秘書役のしずえさんが初登場したのは『とびだせ どうぶつの森』でした。プレイヤーが次に何をすれば良いかを尋ねると、しずえさんが教えてくれるという頼りになる存在です。また、ゲームでは公共事業として村の橋やベンチ、外灯など、住民のリクエストを基にどの施設を作るかを村長であるプレイヤーが決定します。このようにして村は、村長すなわちプレイヤーの好みに合わせて自由にカスタマイズされていきます。村長は、「美しい村の条例」を決定する権利を持ち、お店の営業時間や住民の生活時間をある程度の範囲で変更させることも可能になりました。

『とびだせ どうぶつの森』の通信機能についても、『おいでよ どうぶつの森』を踏襲しており、村での同時4人プレイや友達の村に遊びに行くことも可能です。村に固有のくだものは、他の村から持ち帰った別のくだものを植えることで、それらも収穫が可能になります(買い取り価格がやや高価になる)。それ以外にも、南国の島に遊びに行ったり、マリンスーツで海水浴を楽しんだり、「すれちがい通信」ではすれ違った相手の家が「ハッピーホーム展示場」で見られるようになったり、気に入った家具を買うことができたり、商店街に「夢見の館」がオープンすることで夢の中で誰か知らない人の村に遊びに行くことができるなど(マルチプレイではなく、観光的にのぞき見するだけ)、通信機能がさらに充実しました。

超ロングセラーとなった『とびだせ どうぶつの森』は、2016年3月17日にハッピープライスセレクションとして廉価版が登場します。また、同年11月2日には新要素を含んだ大幅なアップデートが実施され、以降『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』として生まれ変わります。『とびだせ どうぶつの森』ユーザーは無償でアップデートできたほか、2016年11月23日にはパッケージ版『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』が発売されました。こうして『とびだせ どうぶつの森』は、さらにゲームの寿命が延びていきます。

 

アップデートで『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』。になりました

 

任天堂の携帯ゲーム機の系譜は2017年3月3日、家庭用ゲーム機+携帯ゲーム機の仕様へと進化したNintendo Switchが登場する流れになります。そうなると、またまた『どうぶつの森』シリーズの待望論がささやかれるようになるのですが……。

2017年11月21日に任天堂が発表したのは、スマートフォン向けのスピンオフ作品『どうぶつの森 ポケットキャンプ』でした。スマートフォンでも『どうぶつの森』が遊べるようになったと思いきや、ゲームの仕様は若干異なり、プレイヤーは『どうぶつの森』の登場人物たちと一緒に生活しながら、キャンプ場を運営する役割を担う内容となっています。キャンプ場では、釣りをしたり、くだものを収穫したり、住民の願いを叶えて親しくなったり、キャンピングカーの外観や内装をカスタマイズしたり、さらには広場や部屋を家具やアイテムで彩ることができ、『どうぶつの森』シリーズならではのテイストを感じることができる新たなゲームとして楽しめました。

 

スマホで遊べる『どうぶつの森 ポケットキャンプ』

 

なじみの登場人物が闊歩する『どうぶつの森 ポケットキャンプ』

 

Nintendo Switch向けの『どうぶつの森』シリーズが登場したのは、2020年3月20日です。今作のタイトルは『あつまれ どうぶつの森』で、舞台は村から島へと大きく変わりました。また、『あつまれ どうぶつの森』では地形を自由にカスタマイズできる仕様が導入され、その自由度はこれまでにないほど広がりました。

 

超ロングセラーとなった『あつまれ どうぶつの森』。

 

『あつまれ どうぶつの森』にはすれちがい通信こそありませんが、通信機能は健在で、同時プレイが可能なうえ、友達の島を訪れることもできます。さらに、『とびだせ どうぶつの森』で作成したデザインを引き継いだり、スマートフォンと連携する新機能が数多く追加されたりするなど、遊びの幅が大きく広がりました。夢を通じて誰かの島を訪ねる機能も引き続き残されています。

また、2021年11月5日には有料追加コンテンツ『あつまれ どうぶつの森 ハッピーホームパラダイス』が配信され、さらなる遊びが楽しめるようになりました。

 

『あつまれ どうぶつの森 ハッピーホームパラダイス』は、ダウンロード版のみ。

 

Nintendo Switch版『あつまれ どうぶつの森』は、2025年の現在でも現役で人気を保ち続けており、常に売り上げランキング上位に位置する超ロングセラー作品となっています。

 

一生遊んでいられるかもしれない『どうぶつの森』シリーズ

 

通信機能のサービスは終了しましたが、まだ遊んでいる『とびだせ どうぶつの森』。

 

実は、今もときどきニンテンドー3DSで遊んでいるのですが、もうダントツで『とびだせ とうぶつの森』のプレイ時間が1位です。何をしているのかというと、まぁだいたいレトロなゲーセンを作っています。

 

『とびだせ とうぶつの森』のレトロゲーセン部屋です(展示室)。

 

我ながら変態だなぁと思うのは、ニンテンドー3DS版はアップデートしていない『とびだせ どうぶつの森』とアップデートしたものをわけていたりするところでしょうか。

 

ときどき、自分何をやっているんだろう? と思います。

 

スマホ向け『どうぶつの森 ポケットキャンプ』は、現在は『どうぶつの森 ポケットキャンプ コンプリート』という買い切り型アプリに変わってしまいましたが、こちらでもゲーセンを作っています。

 

ゲーセンが作れる家具が豊富なところもうれしい点です。

 

もちろんNintendo Switch版『あつまれどうぶつの森』も遊んでますよ。今現在、プレイ時間は1170時間を超えています(もっともっとすごい友人もいます)。

『あつまれどうぶつの森』で何をしているのかというと、これまたレトロなゲームに関連した遊びになるのですが、主に懐かしのゲームのTシャツや帽子を作ったりしています。

 

今、着ているのは『Emmy』というパソコンゲームのTシャツ。

 

写真は、以前、BEEPさんの店舗で売っていた『Emmy』というパソコンゲームのTシャツを着ています。このTシャツ、自分もほしくてお店に買いに行ったのですが、残念ながらすでに売り切れてしまったため、勢いあまってゲーム内で作ってしまいました。ほかにも『ボコスカウォーズ』TシャツやATARI Tシャツ、3DO Tシャツなど、いろいろやっております。もちろん、いまだに島作りも継続しています。

 

もはややめ時を失っている感がありますが……。

 

今、思っているのはNintendo Switch 2版の『どうぶつの森』シリーズが早く出ないかなぁという思いなのですが、その前にNintendo Switch 2を手に入れなければならないという現実は、いやはやなんとも自分ではどうにもならないのが切ないです。

 

 

©Nintendo

 

 

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著者紹介
髙橋ピョン太

1980年にフリーでパソコン用ゲーム開発を開始。『ボコスカウォーズ』PC-8801版の移植の仕事をきっかけにアスキー専属プログラマーになり、80年代前半~90年代にアスキーのパソコン雑誌『ログイン』の編集者に転向。
その後は、どっぷりと編集につかり、『ログイン』6代目編集長を経て、ゲーム、IT系ライターとなり、現在に至る。Xではレトロなハードやゲームについてつぶやいています。
髙橋ピョン太のX(https://twitter.com/pyonta)

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