【修理依頼】ゲーム&ウオッチ『スピットボール スパーキー』の液晶表示不良の修理をしました

今回は埼玉県入間市のお客様より依頼されたゲーム&ウオッチ『スピットボール スパーキー』の修理をしていきます。

スピットボールスパーキーの本体写真①です

スピットボールスパーキー通電時の写真です

さまざまなシリーズがあるゲーム&ウオッチの中で「スーパーカラー」と言われる1984年に発売されたシリーズです。
4色のカラーフィルムを内蔵し、疑似的なカラー画面を演出しているのがその名の由来で、タテ型のボディになっているのも大きな特徴。
メタルフレームを採用し、新しいデザインスタイルを打ち出したのですが、セールスはあまりよくなかったようで、タイトルはこの『スピットボール スパーキー』と『クラブ グラブ』のふたつしかありません。

さて。今回ご依頼の症状は、以前に修理した『オクトパス』と同じような、背景に変な模様が出ていて見づらいというもの。
パッと見た感じでは、偏光板と反射板の経年によるビネガー症状みたいです。
液晶をチェックすると、色は多少薄くなっているようですが、液晶漏れはないようです。
液晶自体が破損している場合は、同じ機種との液晶交換しか修理方法がないのが現状です。
また、本体が入手困難なこともありまして、液晶の破損は修理が難しくなります。

スクリーンの状態写真その1です
スクリーンがすすけているように見えます。

スクリーンの状態写真その2です
キャラクター表示するとこのような状態に。

スクリーンの状態写真その3です
スコア部分も同じようにすっきりとしていません。

このシリーズの修理経験は初めてなので、本体を開けてみないと修理が可能かどうかわかりません。
スーパーカラーとはどんな仕様なのか確認していきます。
それでは分解、修理していきます。

本体背面の写真です
まず背面6箇所のネジを外してカバーを外します。

本体裏を開けた状態の写真です
基板の形は違いますが作りは従来のゲーム&ウオッチそっくりだと思います。

背面の基板の写真です
次に基板を固定してるネジ6本を外します。
電池の近くにも2本ネジがありますが、別の小さい基板を留めているだけなので外さなくて大丈夫です。
配線が繋がっているため、下側からめくるような形で基板をひっくり返します。

本体前面を開けた状態の写真です
ボタンにアクセスできるようになったので、先にボタンの接点とボタンをクリーニングしておきます。

基板前面の状態の写真です
続いて、液晶を確認していきます。
外してみたところ、上から…
・透明なアクリル?
・透明なフィルム
・色付きのフィルム
・液晶
・偏光板
・反射板
…と、このような感じで構成されていました。

カラースクリーンを外した状態の写真です。

液晶部分の写真です

液晶部分の写真②です

液晶部分の写真その3です
偏光板が1枚しかないなぁ、と思い、よく見てみると、色付きのフィルムが偏光板だということが判明しました。
ですが、これは交換がきかないのでそのまま使うしか有りません。
ということは、色付きの偏光板が劣化してしまうと、程度の良い同機種から持ってくるしか修理方法がないということですね。
しかもなかなか手に入りづらい物ですから難しいですね。
オクトパスと違い、今回交換できるのは一番下の偏光板と反射板だけみたいです。

それでは交換を進めていきます。
やはり偏光板と反射板を貼り付けている接着剤の劣化が原因でした。
反射板と偏光板はオクトパスと同じく、2つが貼り合わさっている物でした。
ですので前と同じく、交換する偏光板と反射板を切り出します。
反射板は大きさを合わせて四角く切り出して、偏光板も同じ大きさに切り出します。
ただし、偏光板は偏光の向きを合わせないといけません。
色付きの偏光板と重ねて、一番色が濃くなる位置に合わせて切ります。
この場所で合わせると、液晶を挟んだときの表示がちょうどよい感じになります。

液晶の偏光板交換の写真です
切り出せたら、交換して元通りに組んで色の確認、動作確認をしていきます。

修理した液晶のチェック写真①です

修理した液晶のチェック写真②です
映りも色合いも問題なし、色の濃さもしっかり出ているのでOKです。
コレで修理完了となります。

今回の修理はオクトパスとほぼ変わらずでしたので、注意点も同じで大丈夫でした。
難しいところといえば、やはりきれいに映る角度で切り出すのが難しいです。

BEEPでは今回のゲーム&ウオッチをはじめ、レトロゲームハードの修理を受け付けていますのでお気軽にご依頼ください。

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