現在もWebや週刊誌として親しまれている「週刊アスキー」は非常に有名ですが、そのルーツが1989年創刊の『EYE-COM』(アイコン)にあることはご存じの方も多いかと思います。
しかし、それ以前に日本のパソコン文化の屋台骨を支えた『月刊アスキー』の存在は、当時のリアルタイムユーザーでない限り、今はもう少し遠い記憶になりつつあるかもしれません。
今回は、埼玉県さいたま市のお客様より、この歴史的価値の高い『月刊アスキー』を大量の通年揃いにてお譲りいただきました。
重さの暴力が襲い掛かるも、これすなわち「パソコン業界の歴史」重みと言えます。せっかくなので簡単に振り返ってみたいと思います。
月刊ASCIIとは
『月刊アスキー』は、最大のライバル誌であった『I/O』(工学社)と並び、黎明期から長きにわたって日本のパソコン業界を牽引し続けた雑誌です。「マイクロコンピュータ総合誌」という肩書き通り、ハードウェアからソフトウェア、そして業界動向までを網羅する守備範囲の広さが売りでした。
2008年には『ビジネスアスキー』へとリニューアルされ、最終的に2010年に休刊となりました。
その精神は現在の週刊アスキーなどにも脈々と受け継がれています。
記事の傾向
同社の『ファミ通』や『ログイン』がバラエティ豊かで遊び心溢れる誌面だったのに対し、『月刊アスキー』の記事は非常に硬派なのが特徴です。
「読んで楽しむ」というよりは、最新の技術動向を知るための「新聞」と、深く学ぶための「専門書」を併せ持ったような、マニアや業界人向けの内容となっていました。
80年代は、他のPC誌同様、誌面の大半を占める「プログラムリスト」が主役。夜な夜な目を皿のようにしてコードを打ち込み、バグ一文字に一喜一憂したマニアたちの熱量が詰まっていました。
90年代に入ると、次第にバラエティ性が増し、ゲームのクロスレビューや著名クリエイターへのインタビューなども掲載されるようになりました。
特に「お楽しみCD-ROM」の付録化は時代の転換点。重い腰を上げてプログラムを打ち込まずとも、ディスクを入れれば即座にコンテンツが手に入る……そんな時代の進化を象徴するメディアでした。
記事ピックアップ
個人的には、『ドラクエ』でおなじみの堀井雄二氏と、『ロードス島戦記』や『ゴーストハンターRPG』を手掛けた安田均氏のレジェンド対談が熱かったです。
加えて、出戻りでAppleを救った伝説の漢「スティーブ・ジョブズ」のロングインタビューなど、90年代の激動を感じる記事構成には惹かれました。
また、任天堂の影の歴史としておなじみの『PHILIPS CD-i』用「マリオ」と「ゼルダ」について言及しているページもありました。
当時もかなりサイレントに動いていたようで、「過度な期待はしないほうがいい」と読者に釘をさしていました。
結果的に失敗するわけですが、下馬評もおおむね現在の評価と変わらなかったようですね。
一緒のページで「Panasonic 3DO」についても特集されており、当時から「似た者同士」というイメージが強かったようですね(笑)
ちなみに、3DO社を立ち上げた元EAゲームズの「トリップ・ホーキンス」氏のPCゲームの広告も。
この下積みこそが、00年代のヒットチャート連発(NFSやBFシリーズといったビッグタイトル)への布石だったと思うと感慨深いですね。
広告から見る時代の変遷
『月刊アスキー』を手に取るとまず驚くのが、その「厚み」です。実はそのかなりの比重を広告が占めていました。
80年代の広告を眺めると、富士通「FM-7」のイメージキャラクターを務めていた若かりし頃のタモリさんが登場します。お馴染みのサングラス姿でパソコンを宣伝する姿は、今見ても非常に新鮮で懐かしいものです。ちなみに、キャッチコピーは「青少年は興奮する」でした!(実際22万台出荷されたとのこと)
他にもソニーのトリニトロンモニターや、海外製PC「コモドール」といった当時の憧れが誌面を彩っています。
これが90年代に入りWindowsが一般化すると、PC市場の爆発的な拡大に伴って広告ページも激増。80年代の倍近い厚みになる号もあり、当時の業界の勢いが紙面の重みとして伝わってきます。
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こうした紙媒体は、ネットでは決して拾い上げることのできない当時の生の声や詳細なデータが詰まっており、極めて高い「史料価値」を持っています。
数十年が経過した今だからこそ、当時の記録を次世代へ繋いでいくことが重要だと考えています。
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