90年代に巻き起こったマルチメディアブームは、今思い出しても凄まじい熱気でした。
その中でもパイオニアが放った『レーザーアクティブ』は、「メガドライブ」と「PCエンジン」を一台で楽しめる、まさに夢の全部入りハードです。
レーザーディスク(LD)プレイヤーに各社のゲーム機能を合体させる構想は、マルチメディア機の究極系といえるでしょう。
当然、本体と周辺機器をすべて揃えるとなると、当時は目が飛び出るほど高価なシステムでした。
今回、神奈川県横浜市の出張買取にて、貴重なパイオニア版『レーザーアクティブ』の一式をお譲りいただきました。
両機種の専用パックが揃う光景は、滅多に出会えない奇跡的な巡り合わせです。
レーザーアクティブとは
1993年8月20日に発売された、当時の最先端メディアである「レーザーディスク」を搭載した画期的なマシンです。
定価は驚異の89,800円(税別)。当時のMDとPCEの本体合計価格(45,800円)の約2倍という高価格設定でした。
※補足すると、当時の高性能LDプレイヤーとしては平均的な相場でもありました。
親機となる「CLD-A100」の、どっしりと構える黒と金のボディは、まさに「最高級家電」の風格です。
今回お譲りいただいたのは“パイオニア版”ですが、バリエーションとして本体ロゴや販売方式の異なる“NEC版”も存在します。
外箱もあり、外装も非常に良好な状態でした。大切に扱われてきた証拠であり、私含めBEEPコンテンツチームも思わず胸が熱くなりました。
ところが、いざ動作確認を始めるとトレイセンサーの不具合が判明。トレイを閉じてもすぐに開いてしまい、ディスクを読み込めない状態です。
美麗な外観だけに、沈黙を守る姿は非常に惜しまれる点です。
PAC-N1(PCエンジンPAC)
1993年8月20日に発売された、PCエンジン用拡張モジュールです。定価は39,000円(税別)でした。
フロントのPAC挿入口に本機を差し込むことで最上級のPCエンジンに早変わりします。
HuCARDやCD-ROM2が起動するほか、LDの大容量を活かした「LD-ROM2」という専用規格も楽しめます。
こちらも箱付きで揃っており、当時のオーナー様の熱烈なこだわりが感じられる逸品です。本体以上の希少性を誇るパック単体は、まさに「お宝」と呼ぶにふさわしいアイテムです。
内部を確認すると、基板がレーザーアクティブ専用に新造されていることがわかります。
PCエンジンの技術が凝縮された、非常に密度の高いユニットです。
PAC-S1(セガPAC)
同じく1993年8月20日に発売された、メガドライブ用拡張モジュールです。同じく定価は39,000円(税別)でした。
PACをすべて揃えた場合、合計で170,000円近くの費用が発生します。当時は、どれだけのユーザーが実現できたのでしょうか…?
こちらを『レーザーアクティブ』に装着すれば、メガドライブやメガCDのソフトが動作します。
専用規格「MEGA-LD」では、主にアニメ・実写映像とゲームが融合した作品が多く、インタラクティブ時代を象徴しています。
今回は箱なしの状態でしたが、現存数の少なさを考えれば、そのレア度は揺るぎません。
一台の親機に二大ハードのパックが揃う光景は極めて稀であり、この共演こそが本機のロマンといえるでしょう。
まとめ
今回の検品では、貴重なユニットを保護するため、動作チェックを中断しました。
レーザーアクティブは、本体と各パックが連鎖的に故障する「道連れ」のリスクが知られているためです。
貴重な個体を守ることを最優先し、現在は弊社の熟練修理班にすべてを託しています。
故障に関する不可解な仕様は、修理班にとっても強敵であり、治らない可能性のほうが高いと語っています。
BEEPでは、今回のようなジャンクのハードも大歓迎です。特にレアな周辺機器や外箱が残るコレクションは、その歴史的価値を高く評価いたします。
『レーザーアクティブ』のように修理が難しい個体こそ、部品取りや観賞用としても大きな意義があるのです。
トレイの不備や電源が入らないといった状態でも、まずはご相談ください。
専門スタッフが一点一点の希少性を見極め、適正な価格をご提示いたします。












