Appleのパソコンといえば、『macbook』の「携帯性」と「デザイン」がノートパソコンの完成系として人気がありますよね。
今回、東京都中央区のお客様から、「AppleII」を始めとした大変貴重な『クラシックmac』のコレクションをお譲りいただきました。
『macbook』の始祖ともいえる、Appleの挑戦の軌跡を感じるマシンたちをご紹介したいと思います。
クラシックmacとは
70年代末期、業務用という固い概念から一転し「ホームコンピューター」という概念が生まれました。
その代表的存在こそがAppleの『Apple II』シリーズで、パソコンの夜明けを牽引することになります。
Appleは「コンピューターをより身近に、より自由に」をスローガンに、「デザイン性」や「携帯性」を重視したモデルを次々と生み出していきます。
ゲームパドル（コントローラー）とブロック崩しゲーム『LITTLE BRICK OUT』が標準搭載していたこともあり、ゲーム開発も精力的に行われました。
3DダンジョンRPG『ウィザードリィ』や、ステルスアクションの『Castle Wolfenstein』等、世界初となる名作ゲームが数多く生み出されることになります。
Apple IIc
Apple IIcは、1984年4月24日に登場したApple IIシリーズの機種の1つです。
初代『Apple II』の大きな特徴であった高い拡張性をあえて廃し、必要な機能を全て内蔵した小型モデルです。
デザインはドイツの工業デザイン会社frog designが手がけ、それまでの無骨なイメージから一転したスノーホワイトのスリムな筐体となっています。
標準で140KBの5.25インチフロッピーディスクドライブを内蔵し、周辺機器用の各種インターフェースも標準搭載されました。
本体後部には持ち運び用のハンドルが設けられており、「運べるパーソナルコンピューター」というコンセプトが強く打ち出されていました。
製品名の「c」は“compact”を意味していたと言われますが、バッテリー非搭載のためAC電源が必須であり、厳密な意味でのモバイル利用はできませんでした。
しかし、この「必要な機能をAll-in-Oneで提供する」という思想は、後のMacintoshのコンセプトにも通じる重要な一歩となっています。
発売から40年経過しているにも関わらず、箱付き完品という恐るべき保存状態でした…！
Macintosh Portable
Macintosh Portableは、1989年9月にMacintoshシリーズで初めてバッテリー駆動に対応したラップトップPC（※）です。
「場所を選ばずにMacを使う」というコンセプトのもと、デスクトップ機に匹敵する性能と、当時のノートPCに比べて高画質なディスプレイの搭載を追求して開発されました。
※ラップトップPC→膝置きで使える小型PCという意味。
このPortableの最も大きな特徴は、当時としては非常に高価で画期的だった「TFT液晶」を採用した点です。
残像の少ないクリアな画面表示ができる一方、製造コストと重量増加というデメリットもありました。
また、カーソル操作デバイスに純正のトラックボールが採用されたのも「Portable」が初めてでした。
※分解することで、利き腕に応じてトラックボールの位置を入れ替えが可能な設計となっています。
結果、その重量は約7.2kg〜8kgにも達し、気軽に持ち運ぶには少々「ヘビー」な存在でした。
交換用のバッテリーも発馬されましたがレンガのようなサイズで、スマートフォン5台分くらいのサイズと重さがあります(笑)
本機は、フル充電で最大6時間程度稼働するようですが、値段はなんと6,500ドル（日本円でおよそ300万円）と非現実的な価格でした。
しかし、Appleの「バッテリー駆動」と「一体型デザイン」への強いこだわりを示す、歴史的な存在なのは間違いないでしょう。
今回ご紹介したApple IIcやMacintosh Portableのような、歴史的価値の高いパソコンはは、その希少性や動作状態によって市場価値が大きく変動します。
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