PC-6001mkII用ソフト「クリス愛の旅立ち」(1984年・COMIX/光栄)

パッケージから宗教画の様な狂気を感じたこの「クリス愛の旅立ち」、遊んでみると想像を越えた内容でしたのでご紹介致します。

まずはパッケージ裏の煽り文句から紹介します。

人々は苦しんでいる。そして救いの手が差し伸べられるのを待っている。彼らを救えるのは、クリス、君しかいない。不毛のアクションゲーム界に波紋を投げかけるニュータイプの精神世界ゲーム。一度プレイしたら、君はもう涙を押さえられない。哀愁の「クリスのテーマ」に乗ってやってきた、1984年最大の感動巨編「クリス愛の旅立ち」。この秋COMIX系で大公開!

ニュータイプの精神世界ゲームで84年最大の感動巨編だそうです。この時点で不毛のアクションゲーム界と言われても困っちゃう気がしますが気にせずゲームを起動しました。

輪っかの下で跪いて祈りを捧げるクリスが登場し、輪っかがクリスへ妨害を避けつつ救いの手を差し伸べる様伝えるOPデモが始まりました。しかもP6mkII以降なのでしゃべります。苦しさを訴える音楽がプレイヤーを盛り上げます。

そしてこのタイトル画面。「クリスあいのたびだち プロデュースドバイコミックス」としゃべってくれるので自ずとテンションが上ります。

ゲーム画面はこちらです。任天堂のレーダースコープの様な画面をクリスが右から左へと移動しつつ、人々を救うアクションゲームです。途中にいる兵隊は触れるとミスになります。奥行きのある画面だけあり、パターンを用意して拡大縮小する点は褒められるべきではないでしょうか。人々を救う方法は地面に這って手を差し伸べる人の前でスペースバー(杖を振る)を押せばOKです。当たり判定がいまいち解りづらいのでそこが難点ではありますが、そこそこ遊んでいけばなれると思います。

またミスをするとクリスが懺悔します。1ステージにつきそれぞれ3回ミスしてもOKなのが珍しいルールですね。

各ステージで50人助けると次のステージに行けるのですが展開が非常に遅く遊んでいて苦しいです。ちなみに1面の妨害者が兵隊で2面はなんと蛇と悪魔。この適当なチョイスについていければもうあなたは「クリス愛の旅立ち」のファンです。修行に近い内容からすると精神世界ゲームなのはあながち外れてはいないと思います。

最後にマニュアルのストーリーを紹介してこの記事を締めます。

クリス 愛の旅立ち

 クリスは惑星ルルドの農民の子として生まれた。ルルドの農民は貧しく、国王は非情であった。彼らの希望は、昔から言い伝えられた予言の中にのみあった。それは「光とともに我が子は生まれん。最も悪しき年、我が子は旅立ち、ルルドの悲しみを取り除かん。」という聖者ダロンの言葉だった。
 その年はひどい年だった。農作物は異常気象で全滅に近く、新しく執政官となった皇太子の圧政は、目に余るものだった。ある日クリスが壊滅状態となった畑を絶望して歩いていると、突然明るい光りに包まれ、啓示を受けることになる。
 「我が子クリスよ。苦しんでいる者を救うのだ。聖なる杖を与えよう。彼らに愛の光を投げかけよ。しかし絶対に戦ってはならない。」
光が消えた後には、一本の杖が残されていた。クリスはその杖を左手に取り過酷な救世の道を歩み始めるのだった。

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