1991年末に登場した『メガCD』は、大容量のCD-ROMと向上したスペックにより、動画（ムービー）や高品質なボイスを多用した、次世代のゲーム表現を可能にしました。
そんな『メガCD』のソフトラインナップの特徴の一つとして、PCゲームの名作を移植・リメイクした作品が多いことが挙げられます。
単なる移植にとどまらず、動画やCD音源を活かすことで、オリジナルのPC版とはひと味違う魅力を放つタイトルが多数生まれました。
今回、栃木県佐野市のお客様よりお譲りいただきましたコレクションから、ちょっとマニアックなPC移植ソフトの3作品をご紹介させていただきます。
シルフィード
『シルフィード』は、1993年7月30日に発売された疑似3Dシューティングゲームです。
元々PC向けに開発され、そのフルポリゴンに近いグラフィックで話題となった作品です。
原作であるPC-8801版は1986年12月に発売。当時の8ビットPCとしては極めて珍しいポリゴン描画を導入し、大きな話題となりました。
本作はPC-8801版をベースに、演出面を大幅に強化した移植版となっています。
原作でワイヤーフレームだった3D演出のオープニングもフルポリゴン化され、当時のプレイヤーはPC版以上の衝撃を受けたことでしょう。
特筆すべき点は、3Dポリゴンで描かれた背景を、常時ムービーデータを読み取りながら背景描写している点です。
フュージョンテイストのBGMもPC版のコンポーザーチーム『メカノアソシエイツ』により再アレンジされており、全12面の豊富なステージに対応した名曲揃いです。
『メガCD』のグラフィック機能と音源が理想的な形で融合させた秀作タイトルです。
『メガドライブミニ2』にも収録されているため、機会があれば是非遊んでみてください。
ノスタルジア1907
『ノスタルジア1907』は、「X68000」を始めとしたPCでリリースされた同名のアドベンチャーゲームを移植した作品です。
舞台は1907年、豪華客船「ノスタルジア」号を舞台に、主人公の探偵「ヤマダ カスケ」となって、船内に仕掛けられた爆弾事件の真相を解明します。
メガCD版の最大の大きな特徴は、CD-ROMの大容量を活かした声優によるフルボイス仕様でしょう。
どことなく、某大泥棒の孫を思わせる『ヤマダ』の演技が露骨で、人によってはツボに入ってしまうかもしれません。
※ちなみに、元ネタとは別の方が演じられています。
全編セピア調の画面と、各所に散りばめられた洒落た言い回しが、なかなか良い雰囲気を醸し出しています。
テキストを読み進めて選択肢を選ぶというシンプルなシステムです。
しかし、途中で差し込まれる「爆弾解除パート」がゲームに緩急を持たせています。
※後にこのシステムが同じ作者である「四井浩一」氏の爆弾解体ゲーム『鈴木爆発』に引き継がれます。
欠点としては、なぜかセーブ機能がなく、章ごとにしか再開できない点が挙げられます。しかし、これはこれで小説のような味わいがあって良い、と捉えることもできるでしょう。
シムアース
1993年3月12日に発売された、惑星開発を題材としたシミュレーションゲームです。
『シムシティ』の生みの親であるウィル・ライト氏が手がけた『Sim』シリーズの第二弾で、舞台はなんと『地球そのもの』という壮大な規模です。
プレイヤーは惑星の創造神「ガイアナイザ」となり、地球全体の進化と生態系の発展を何十億年というスケールで見守ります。
生命の誕生から、文明の興亡、そして最終的な未来までを扱う壮大なテーマが魅力です。
メガCD版では、原作にはなかったナレーションが追加されています。
キャストは、『機動戦士ガンダム』の「キシリア・ザビ」役をはじめ、数多くのキャラクターを担当されている「小山茉美」氏です。
また、PC時代から評価の高かったBGMがCD音源化されているため、サウンドトラックとしての価値も高いです。
前作と比べると、コマンドの多さや洋ゲー特有の説明不足が足を引っ張っている印象。
しかし、骨太でやりがいがあるという点が逆に評価されています。
ちなみに、本作は日本独自のローカライズであり、海外版『SegaCD』版が存在しないという、『洋ゲー』出身としては非常に珍しい作品です。
BEEPではあらゆる年代のゲーム機本体・ゲームソフトを買取募集中です。
箱や説明書のないソフト、仮に状態が悪かったり動かないものも、ぜひ一度ご相談頂ければと思います。
買取に関するご質問やご相談、見積もりのご依頼も無料で承っております。
まずはお気軽にご連絡くださいませ。
どうぞよろしくお願いいたします。
