ファミリーコンピュータが一大ブームを巻き起こした時代は、同時にアーケードゲームも全盛期を迎えていました。
ファミコンソフトの実はけっこうな割合が、アーケードからの移植作品でした。
しかし、技術的な制約や『大人の事情』から、オリジナル版とは似ても似つかない出来になることも少なくありませんでした(笑)
本日は、富山県高岡市のお客様よりお譲りいただいた、そんな挑戦と歴史を物語る移植ソフトのコレクションをご紹介します。
西遊記ワールド
1987年8月にセガがアーケードでリリースした『ワンダーボーイ モンスターランド』を元ネタの作品です。翌1988年11月11日にジャレコよりアレンジ移植されました。
パッケージには「株式会社NMK」の文字が確認できますが、開発スタッフ曰く「名前を貸しただけ」で関わっていないとのこと。※1社が出せるファミコンソフトには上限があったためだそうです。
キャラクターは『西遊記』に一新され、『悟空』が『三蔵』を救出するために冒険するという内容に変更されています。思わず『一緒に旅をしないのか!』とツッコミたくなる設定ですね。
ちなみに、オリジナル版を開発したウエストンには一切許可を取っていなかったようです。
まさに、良き(?)時代の象徴と言えるエピソードです。
怒2 DOGOSOUKEN
1986年10月にSNKがアーケードでリリースした『怒号層圏』(どごうそうけん)を移植した作品です。
アーケード版リリースから2年後の1988年4月16日に、マイクロニクスよりアレンジ移植されました。
『キングオブファイターズ』シリーズのでおなじみ「ラルフ」と「クラーク」が主人公の縦スクロールシューティング第二弾。休暇中の二人が突然異世界に転移し、再び戦いに身を投じるというぶっ飛んだストーリーになっています。
前作『怒IKARI』の移植の質が低く、本作も『残念移植』と言われています。
パッケージでも確認できる、本作を象徴する装備『剣』も弱体化しています。AC版では敵弾を跳ね返すことができましたが、仕様変更でそれが不可能になっており、もはや別物といって差し支えありません。
また、ROMカードリッジなのにとにかくロードが多かったり、アーケード版で印象的だったボイスが妙に甲高いものになっていたりとプレイ以外の部分でも気になる点が多い作品です。
※フォローしておくと、ファミコンソフトでボイスが出るソフトは数える程度ですし、グラフィックの再現度は高いです。
忍者龍剣伝
1988年10月にテーカン(現:コーエーテクモゲームス)がアーケードでリリースした同名作品。主人公の「リュウ・ハヤブサ」が行方不明になった父親と邪神復活の陰謀を突き止めるために奔走するストーリーとなっています。
本作は移植というより同時並行での開発で、『ファミコン』版はオーソドックスな横スクロールアクション、アーケード版はベルトスクロールアクションと、ハードに合わせてゲームの特色が変更されています。
『ファミコン』版は『テクモシアター』と呼ばれるムービーシーンでドラマティックなストーリーが展開されますが、AC版のストーリーは演出はほぼなく、「暗殺者『忍』が、アメリカの犯罪組織と戦う」とシンプルな内容となっています。また、主人公も非常に似たルックスですが、”別人”でストーリーに関連性はありません。
現在では『DEAD OR ALIVE』のキャラクターとしての印象が強い「ハヤブサ」。担当声優の「堀秀行」氏の演技も相まってベテラン忍者のイメージですが、『龍剣伝』の熱血で青臭い「ハヤブサ」もまた魅力的です。ぜひチェックしてみてください。
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