【出張買取】元祖64bitの栄光と挫折、マニア垂涎の『Atari Jaguar』をお譲り頂きました

         

時は1990年代。任天堂が『ニンテンドウ64』で世を席巻する以前に、コアなゲーマーが注目した64ビットの先駆者がいました。
ビデオゲームの元祖、ATARIが最後に世に送り出した『Atari Jaguar』です。

その挑戦的なスペックと、マニアだけが知る魅力たっぷりの世界を、千葉県市川市のお客様よりお譲りいただいたコレクションからご紹介します。

『Atari Jaguar』とは

1993年11月にATARIより発売された、世界初の64ビット“級”ゲーム機です。そして、旧ATARIとしては最後のゲーム機でもあります。

80年代初頭『ATARI2600』の大ヒットにより、一時代を築いたATARIでしたが「アタリショック」(※)以降は苦戦を強いられていました。
※アタリショック:サードパーティーから質の悪いゲームが大量にリリースされたことで、大規模な買い控えが起きた事件。

この状況を打開するために、同社でリリースしていたパソコン『ATARI ST』の技術を応用して、32bitの新ハードの開発を始めます。
優秀な技術者が揃っていたこともあり、より高性能な次世代機のプロジェクト「Jaguar」へと移り変わっていきます。

ついに、2基の32ビットのCPUと、64bitのビデオチップを搭載した「マルチプロセッサ」の次世代機として送り出されます。
実態は純粋な64ビットマシンではなく、グラフィックチップのみが64ビットという仕様で、あくまで”64ビット級”という触れ込みでした。

コントローラーも特殊な形状をしており、テンキーが搭載されています。
ゲーム毎にテンキー用の「カード」が付属しており、装着することでテンキーの使用用途がわかるというシャレた仕様になっています。
反面、各種ボタンが固いため、数分操作するだけで指に相当な負担がかかることは間違いありません。

約25万台製造されるも、本国では大半は売れ残ってしまいこれが原因の1つとなり旧ATARIは倒産してしまいます。
日本でもごく一部で販売されていたようですが、約3000台程度しか売れなかったようです。
その後1996年にハードディスクメーカー『JTS』に買収され、ゲーム事業から撤退しました。

不良在庫は葬られ、国内外でかなりのレアハードとなっています。

発売されたソフトについて

前述の高性能という触れ込みに対して、実際に発売されたゲームはパッとせず、グラフィックも今ひとつなものが多かったため、当初は酷評されることになります。
※フォローしておくと、「マルチプロセッサ」の仕様が高尚すぎて性能を発揮できていなかった。

ですが、オリジナルスタッフが直々に移植した『DOOM』や映画原作の『エイリアンVSプレデター』といった良作FPSがリリースされゲーマーからは評価されている部分もあります。
「ジェフ・ミンター」氏が製作した、ATARIの往年のゲームのリメイク作品『TEMPEST2000』は最高傑作とされ、後年には3本も続編がリリースされました。

前述のFPSや『ULTRA VORTEK』や『KASUMI NINJA』といった「実写格ゲー」、スポーツゲームを中心としたソフト群は「良くも悪くも洋ゲー」という印象です。
結果、ジャンルの偏りが激しいソフトラインナップも足を引っ張り、全50タイトルという少ない本数に終わってしまいました。

拡張ユニット『Atari JaguarCD』

1995年9月に発売された周辺機器で、『Atari Jaguar』用のCDドライブです。
『Jaguar』はカードリッジである故に容量不足に悩まされていたため、テコ入れとして何度かの延期の後にリリースされました。

前述の「ジェフ・ミンター」氏が開発した、VLM(Virtual Light Machine)という光シンセサイザーの技術が搭載されています。
CDプレイヤーとして使用した場合、音楽に合わせて色鮮やかなビジュアル演出が楽しめます。
これは、後に発売された『Nuon DVD Player』(2000)や『Xbox360』(2005)にも搭載されており、『Jaguar』の数少ない功績となっています。

また、致命的な問題として、ドライブが故障しやすいという点が挙げられます。
そのため、市場では動作品はかなり少ないため、「Jaguar」本体以上に激レアとして知られています。
※その欠陥ぶりを揶揄し、本体の形状から「洋式便器」と呼ばれることもありました。

ちなみに、パッケージには10本のソフトが書かれていますが、実際発売されたのは4本だけで他は開発中止となっています。
載っていないものを含めると、合計13本と『バーチャルボーイ』の19本より少ないです(笑)

発売後の動きについて

90年代は「次世代ゲーム機」達がシェアをビット論争で競い合った真っ只中でした。94年の初代『プレステ』・『セガサターン』登場も大打撃となりました。
「64ビット」”級”を大きく掲げて最後の力を振り絞ったATARIでしたが、かつての栄光を取り戻すことは出来ずに95年の11月には製造を終了します。

発売予定製品の中には「オンライン用モデム」や「VRヘッドセット」等も含まれていたようです。
もし復権が叶っていたなら、今のゲームシーンを大きく変えていたことは間違いないでしょう。

ビデオゲームの老舗ATARIのロゴ、夢が広がるマシンスペック、そして“香ばしい”洋ゲーと知る人ぞ知る名作の数々…
“やらかしハード”として側面はありつつも余りある魅力がたっぷりで、現在でも熱狂的なファンが多いのも納得の1台と言えます。

ちなみに、買収後のATARIが『ATARI2600+』という公式互換機を発売しています。
『Jaguar』はコケて撤退したものの、今では復活しゲーム機を作っていると思うと感慨深いものがありますね。

 


BEEPではあらゆる年代のゲーム機本体・ゲームソフトを買取募集中です。

ATARI製品はオールドゲーマーに大人気!
箱や説明書のないソフト、仮に状態が悪かったり動かないものも、ぜひ一度ご相談頂ければと思います。

マニアックゲームの高額買取リストはこちら

海外メーカーのパソコン高額買取リストはこちら

買取に関するご質問やご相談、見積もりのご依頼も無料にて承っております。
まずはお気軽にご連絡くださいませ。

どうぞよろしくお願いいたします。

LINEでカンタン査定

よろしければシェアお願いします!

PAGE TOP