1984年に創刊され、約30年にわたり紳士たちの夜のいとなみを支え続けた『ビデオボーイ』。
大人の娯楽を届けてきたこの雑誌ですが、実は別冊で『ファミコン』を特集していた時期もあったのです。
本日は、『ビデオボーイ』の増刊号として登場し、『ファミ通』や『ファミリーコンピュータMagazine』と共に少年たちの味方となったゲーム雑誌『ハイスコア』をご紹介します。
群馬県太田市のお客様からお譲りいただいた貴重な雑誌から、一時代を築き上げた軌跡を振り返ってみましょう。
『ハイスコア』誕生!
『ハイスコア』は、1986年3月から1990年5月まで刊行されたゲーム雑誌です。当初はパソコン情報誌『ビットボーイ』としての企画でした。
しかし、世間がファミコンブーム真っ只中ということもあり、『ファミコン』をメインに据えて誕生することになりました。
ちなみに、『ファミ通』が1986年6月の刊行でしたから、本誌の方が先輩にあたります。
創刊号では、『ファミコン』用ソフト『グーニーズ』の攻略を大々的に特集しています。
他にも、『ツインビー』や『ぺんぎんくんWARS』といった、発売3か月前後の旬なゲームもしっかり取り上げていました。
ステージ全体のマップ画像を2ページにわたって掲載し、細かく解説するスタイルは本誌の目玉でした!
他に目を引くのは、「ファミコン交換レート天才技の伝授」と題されたトピックです。
今では考えられませんが、当時は中古店でソフトを交換する文化があったため、非常に需要があったと思われます。
このシビアな題材チョイスには、元となった雑誌のアダルトなノリを感じてしまいますね(笑)
アイスクリームの懸賞!?『ゾンビハンター』
『ハイスコア』を代表するエピソードといえば、アイスの懸賞でオリジナルゲームソフトをプレゼントしていたことです。
森永乳業のアイスクリームブランド「エスキモー」から発売された、グミ入りのバニラアイス『ゾンビハンター』を購入すると、同名のファミコンソフトが手に入るというものでした。
ゲームの最大の特徴は、「ハイスコア」や「ゾン”ビハ”ン”タ”ァ”ァァ…」といった、ガビガビ音声でのタイトルコールです。
特にゲームオーバー時の「しっかりしろよぉ~!?」という、煽りとも取れるボイスは、当時のファミコンキッズの脳裏にこびりついて離れない伝説のセリフとなりました。
『ゾンビハンター』は後に一般販売されるほどの人気ぶりでしたが、ゲーム内容については賛否両論でした。
堅実なスクロールアクションRPGでありながら、レベルアップバグや画面の情報量の多さなど、プレイヤーを混乱させる要素も多い仕上がりです。
ちなみに、「黒」と「茶色」の2種類のカートリッジが存在し、茶色のソフトは元ハイスコア編集部の「大森田不可止」氏による手作りとのこと!
懸賞分8000本のうちわずか100本程度しか存在しないらしく、非常に貴重なバージョンとなっています。
大らかさを感じる当時の広告達
ニンテンドーの『MOTHER』や『ゲームボーイ』の広告はもちろんのこと、当時の雑誌にはよくあった怪しげな広告も数多く掲載されています。
特に、『ファミコン』界のアウトロー、『ハッカーインターナショナル』による「改造ファミコン」の広告が大々的に掲載されていることには驚きです! 公式も広告を出している中に堂々と載っているこの感じ、大らかな時代だったのですね(笑)
他にも、かつて新宿にあった「ファミコンショップ」トライさんの広告も掲載されています。
新宿のど真ん中にゲームショップがあったという事実は、『ファミコン』の当時の勢いを物語っていますね。
トライさんだけでも4店舗あったようなので、東京に住むキッズたちには馴染み深い場所であったことでしょう。
ちなみに、現存する「ファミコンショップ」は、現在ではカードショップになっていることが多いようです。
「ああ、『フューチャービー』が懐かしいぜ…」と感じる方は私だけではないはず…
路線変更から休刊まで
1980年代後半からは、かなりマニアック色が強くなり、表紙も『ファミコン』よりは『セガマークIII』、『PCエンジン』、ひいては『ATARI LYNX』といったマイナーハードの記事が充実していたようです。
他にも、美少女ゲームのCGを特集した袋とじを付録にするなど、スケベ要素を強化することで、親雑誌『ビデオボーイ』への先祖返りを感じさせます。
紙面のイラストや雑誌名がカタカナから英字表記になるなど、かなりアダルトかつ”オタク”な側面へと方向転換していることがうかがえます。
健闘むなしく、1990年に先述の通り休刊となりました。『ファミコン』雑誌のパイオニアとして登場し、ゲーム業界の荒波にもまれながら、その短い一生を終えることになります。
「しっかりしろよぉ~!?」と、あの伝説のセリフが聞こえてくるような『ハイスコア』の世界。
短い期間で姿を消した雑誌でありながら、その記憶は多くのゲーマーの心に深く刻まれています。
今回お譲りいただいた雑誌たちは、失われがちなゲームの歴史を再発見させてくれるバイブルとしてこれからも重宝されることでしょう!
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