2004年に歴史的名機である『ニンテンドーDS』が登場したのは周知のことですが、これ以前にタッチパネルを搭載したゲームがリリースされていたのはご存じでしょうか?
ファービー人形等で有名なTIGER社(現在はハズブロへ吸収)は、PDA(スマホの前身)とゲーム機を融合させたゲーム機を開発しました。
それが、1997年に登場した『Tiger Game.com』です。この度、埼玉県熊谷市のお客様よりそのコレクションをお譲りいただきました。
おそらく、日本でも屈指の『Game.com』有識者の私が責任もってご紹介いたします。
目次
Game.com本体
どこかでみたことのある黒と銀のボディーとタッチペン、刺し色の藍色が目を引くボディシェルの本体です。
時代を感じさせるモノクロのモニターは、タッチパネルとなっておりメニュー操作やゲームでタッチ操作することができます。
注目ポイントは「多機能な本体」で、「電卓」や「カレンダー」といったツールに加えて、今まで遊んだゲームのスコアを記録してくれたりもします。
また、カートリッジが2本刺さるので、本体内蔵のソリティアゲームと合わせて最大3本までゲームを携帯できる未来仕様です。
別売りのインターネットカートリッジとモデムを組み合わせれば、テキストベースでのインターネットサーフィンをすることもできます。
インターネットサービスを利用した、ハイスコアのランキング争いもあったようです!(上画像のポートから通信ケーブルを接続する。)
こう聞くとよさそうに思えますが、本体性能に見合わないコンシューマーの無茶移植ゲームのラインナップが誇大広告となり、子供たちの怒りを買うことに…
ボタンの反応やゲーム機自体のモッサリ感も相まって、結果「世界一売れなかったゲーム」のランキング3位をランクインしています。
Resident Evil2(バイオハザード2)
カプコンの大作タイトルの移植版で『Game.com』を語る上で欠かせないのが本作です。
初代PSで登場した作品ですが、すべて2Dのモノクログラフィックに書き起こされているのが特徴です。
固定カメラでの操作は、本家の遊び心地を忠実に再現しており、画面の動きが少ないので液晶残像の激しい『Game.com』とも相性が良いです。
容量の関係なのか、主人公は「レオン」のみになり、内容も短縮されていますが、しっかり最後までプレイできます。
グラフィックの書き込みや各種SEのクオリティが尋常ではないので、この移植に関わったスタッフの仕事ぶりには感服してしまいます。
本体機能で、クリアタイムが記録される仕様となっているのでタイムアタックへのモチベーションにもつながる点が良いですね。
私は本作を遊ぶために『Game.com』を買った口なので、間違いなくオススメできるタイトルです!
Mortal Kombat Trilogy(モータルコンバットトリロジー)
海外で爆発的人気を誇るめちゃグロ格闘ゲームシリーズの3作目。その最終バージョンの移植版です。
同シリーズとしては、最後の実写取り込みの作品で「歴代キャラ」大集合というのがウリとなっていました。
しかし、このバージョンは容量や技術的な問題からか、キャラクターは大幅削除されてしまっています。
主人公の「リュウ・カン」やシリーズの顔役である忍者「スコーピオン」や「サブ・ゼロ」など、メインキャラが大幅にリストラされています。
結果、マリオ・リンク・ピカチュウのいない『スマブラ』のような状態になっており、ファンのガッカリ度は計り知れません。
一応、残虐にとどめを刺す「フェイタリティ」に関しては、原作通りのバリエーションになっており再現度はそこそこ高いです。
ただ、普通に遊んでいるだけでキャラの挙動がバグるので、相当な愛を持ったファンでもなければ5秒でコレクション棚に戻されるような出来であることは間違いないでしょう。
Williams Arcade Classics
往年のアーケードゲームを複数収録しているオムニバス形式のソフトの『Game.com』版です。
PC版を準拠に移植されており、ゲームセンターに入場して遊ぶ台を選ぶメニュー画面を再現しています。
『ディフェンダー』『ディフェンダーⅡ』『ロボトロン』『ジャウスト』『シニスター』の5作品を収録しており、移植内容も及第点です。
依然として、ボタン周りの取り回しの悪さや横スクロールが激しいと残像でよくわからなくなってしまうという欠点は変わらずなのですが(笑)
それでも、『Game.com』のタイトルの中ではかなり遊べる部類のクオリティであり、元のゲーム性を損なっていないだけ評価できると言えます。
他がどれだけ厳しいかという話は…、動画等で見てみてはいかがでしょうか?オススメはしませんけどね…
TIGER社は、おもちゃとしてのゲーム機(ゲーム&ウオッチのような電子ゲーム)のために有名タイトルのゲーム化権利をたくさん持っていました。
結果、本製品のような粗悪な移植が多く作成されることになりますが、一部には『バイオ2』のような名作も存在しています。
ハードウェアのバランスとリリースされたタイトルのちぐはぐさが味わい深いゲーム機という、強烈な個性は私を始めとしたディープなマニアに刺さっていると思います。
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