BEEPスタッフが選ぶ、アニメ原作のスーパーファミコン名作ゲーム10選

1990年に発売されたスーパーファミコンは、まさに国民的という名を冠するにふさわしい人気ぶりでした。日本中の家庭にその存在感を示し、当時は子供にねだられて買った親御さんも多いはず。となれば、自然とアニメとのメディアミックス作品も増えてくるというものです。そんなアニメ原作のスーパーファミコンタイトルから、BEEPスタッフが選んだ10本の名作をご紹介!

 

1本目は「キャプテン翼III 皇帝の挑戦」

開発・販売はテクモ株式会社。FCやSFCでアニメ原作のゲームといえば……? そんな質問にまず名前があがるのが、このキャプテン翼シリーズではないでしょうか。
既存のサッカーゲームはトップビューの画面で自由に選手を動かす、アクション要素の強いゲームばかりでしたが、このシリーズはコマンドRPGとリアルタイムSLGを足したような独自性の強い意欲作です。カットイン的に挿入されるダイナミックなアニメーション演出は、後のキャラクターゲームの画面作りに大きな影響を与えたのではないかと思っています。
「ガッツがたりない」「もりさきくんふっとばされた! 」といったフレーズは、ゲームを未プレイの方でも、ご存知の方が多いのではないでしょうか。S.G.G.K(スーパーがんばりゴールキーパー)こと森崎君が吹っ飛ばされるゲーム画面は、ネットで一番有名なキャプテン翼のカットと言っても過言ではありません
Ⅲはシリーズの中でも非常に評価が高く、テクモ開発キャプテン翼の集大成ともいえるタイトルで、キャプテン翼ゲーに初めて触れる方に是非ともおススメしたい一品となっております。

 

2本目は「幽☆遊☆白書」

メーカーはナムコ。ゲームジャンルはビジュアルバトル。十字キーとボタンの組み合わせで多様な行動を選択し、それを使うタイミングによる戦略と駆け引きを楽しむ、アクション要素を排した格闘アクションゲームのようなゲームです。独自性の強いゲームシステムですが完成度は非常に高く、原作愛が溢れるダイナミックなアニメーション演出も相まって、当時の子供たちを虜にしました。
そんな素晴らしいゲームなのですが、このゲームにもメディアミックス作品ならではの問題点があります。主人公である浦飯幽助の仲間「桑原」と「蔵馬」の台詞に、原作やアニメで言わない呼称を言うというミスがあるのです。幸いなことに、もう一人の仲間である飛影でそういったミスはなかったようで、かの有名な「飛影はそんなこと言わない!」という台詞で弄られることはないのですが……。

 

3本目は「美少女戦士セーラームーンS 場外乱闘!? 主役争奪戦」

美少女戦士セーラームーンの格闘アクションゲームタイトルです。発売は当時存在したバンダイ系列のエンジェル。開発はギルティギアでお馴染みのアークシステムワークス。少女向けアニメが原作ですが、とても少女向けとはいえない格闘ゲーマー納得のコアな仕上がり。eスポーツ大会のEVOでは、サイドトーナメントの種目に選ばれたこともあります。
このゲーム、そこはかとなくギルギアっぽさがあって、とにかくテンポとスピードが早いです。さきほど述べた幽遊白書とは対照的で、コントローラー捌きが下手な人は上級者についていけません。アニメでは、敵である妖魔を倒すため長い演出とともに使われていた必殺技「ムーン・ティアラ・アクション」ですが、今作では即発生かつ硬直もなく相手を容赦なく画面端に追い込みますし、別の必殺技「ムーン・スパイラル・ハートアタック」は、鬼畜な起き攻め技として戦略の主導権を奪います。
格闘ゲーム初心者のキッズが、容赦を知らない大きなお友達とやりあうと、セーラームーンの鬼畜な所業にトラウマを抱えてしまうかもしれません。原作では仲間想いのうさぎちゃんでしたが、主役の座がかかれば本気になってしまうのでしょうね。

 

4本目は「新機動戦記ガンダムW ENDLESS DUEL」

発売はバンダイ、開発はナツメ。ジャンルは格闘アクションゲーム。このゲームにはちょっと変わった特徴があります。キャラクター同士が離れている時は、通常攻撃がバルカン攻撃(頭部に装着された機関砲)に変化するのです。ガンダムシリーズでは、機体同士が近接戦を行う際にバルカン砲で相手を威嚇することが多くあるのですが、この通常攻撃がバルカンに切り替わる仕様は、原作の雰囲気を上手く再現しています。
ラスボスは原作通りガンダム・エピオン。格ゲーのラスボスらしく(?)、サイコクラッシャー(※1)っぽい技や、ダブルニープレス(※2)っぽい技で相手を翻弄するのですが……。シャドルー総裁(※3)の魂は、バイソンに宿る前(※4)にガンダムに宿っていたのかも? もちろん、原作のガンダム・エピオンはそんな動きをしません。

※1~2 ストリートファイターⅡのラスボス、ベガの使う必殺技
※3 ストリートファイターⅡのラスボス、ベガのこと
※4 ストリートファイター6のベガの話

 

5本目は「第四次スーパーロボット大戦」

ガンダムをはじめとした、ロボットアニメが大集合するお祭りSRPGです。発売はバンプレスト、開発はウィンキーソフト。SFCで発売されたスパロボシリーズはどれも名作なのですが、これはシリーズのターニングポイントとなった作品です。
スパロボ最大の魅力は、原作ではありえない作品の垣根を越えたキャラクターたちの共演ですが、今作ではプレイヤー視点となるオリジナル主人公と、オリジナルロボットが生まれました(以前から魔装機神サイバスターというオリジナルキャラはいて、前作はその世界を舞台にした作品だったのですが、外伝のような扱いでした)。
性別や顔アイコンに性格などを自由に選択可能で、設定した誕生日と血液型により憶えられる精神コマンド(コマンドRPGの魔法のようなもの)が違ったりと、遊び心も満載。
この「オリジナルキャラが作品世界に入り込んで活躍する」というシチュエーションは、この後インターネット上で発展する二次創作小説界隈でオリ主(オリジナル主人公の略)と呼ばれるようになるのですが、スパロボが影響を与えたとかないとか──。

 

6本目は「スレイヤーズ」

ライトノベルの金字塔、スレイヤーズのゲーム化。発売元はバンプレスト、開発はベック。実はこのゲーム、アニメよりも前にリリースされているため、厳密にはアニメ作品原作というわけではないのですが、名作なのでピックアップ。
本作の特筆すべき点は、なんといっても原作者がシナリオを書き下ろしていること。一部食い違いや矛盾点はあるものの、原作通りのスレイヤーズの設定をそのまま利用しており、内容は出版当時の原作より「未来の時間軸」というものでした。パラレルという扱いになっていますが、後の小説からこのゲームにつながるような伏線も張られていたり、作者からもこのゲームが大事にされている様子が窺えます。
ジャンルはシンプルなコマンドRPG。システムに目新しさはありませんが、イラスト担当あらいずみるい先生の描き下ろしCGも豊富で、ファンに向けたボリュームに熱量が注がれているのは、このゲームの圧倒的「正しさ」でしょう。
また、RPGのお約束を逆手に取ったシナリオの構成も見事の一言です。ファンならぜひともプレイしたい一作となっています。

 

7本目は「タイニートゥーン アドベンチャーズ」

当時大人気だった米ワーナー社のアメリカアニメのゲーム化です。原作はあのスティーヴン・スピルバーグが制作協力しています。開発・販売はコナミ。ゲームジャンルは横スクロールアクション。当時のコナミのアクションゲームはどれも秀作ぞろいなのですが、このゲームもその例に漏れません。
プレイヤーキャラであるバスター・バニーの挙動にやや癖はあるものの、ゲーム自体はシンプルなので、なんとなくプレイするだけでゲームを楽しめます。難易度は高いものの、救済処置も多いので安全安心設計。「アメリカンアニメーション」を再現するために作り込まれたステージと演出は、原作を見たことがないユーザーにもその映像を想起させてくれることでしょう。お勧めの一作です。

 

8本目は「魔法陣グルグル」

2017年にリメイクアニメも放映された「魔法陣グルグル」のゲームです。開発元はタムタム、発売元はエニックス。ジャンルはRPGですが、独自性の強いシステムとなっています。
拠点から全部で13ある塔(ダンジョン)に出かける探索型RPGなのですが、塔の内部はローグ系のように入るたびに構造が変化します。魔法陣グルグルはドラゴンクエストをネタにしたギャグが多い作品ですが、このあたりは「トルネコの大冒険 ~不思議のダンジョン~」を参考にしたのでしょうか。
戦闘時は、主人公のニケではなくヒロインのククリを操作し、ボタンの組み合わせでグルグル(魔法陣)を描いてニケを援護します。このグルグル、効果が強い代わりに消費MPが大きく、序盤はすぐにMPが尽きて魔法が使えなくなってしまうのですが、するとプレイヤーはニケが戦っているところを応援することしかできなくなってしまいます。このような大雑把な仕様とバランスも、なんだか原作らしさがあってほっこりです。

 

9本目は「ミニ四駆シャイニングスコーピオン レッツ&ゴー!!」

ミニ四駆アニメ、「爆走兄弟レッツ&ゴーの」初ゲームです。開発はキッド、販売はアスキー。ジャンルはシュミレーション。ゲーム内世界でミニ四駆のパーツを購入してマシンを改造し、コースに応じたセッティングをしながら大会で勝ち進むのが目的となります。
このゲーム、評判はあまりよくありません。マシンのステータスやパラメータを確認する画面が存在しないため、パーツを買ってセッティングしても、なにが変化したのかがわからない。電池などの消耗度で速度が変わるパーツもあり、新品が一番良いわけでもない。メンテナンスも効果の実感がわかりにくい……不親切すぎる。
──だが、それがいい。プレイ時の手探り感が、まるで現実でミニ四駆を遊んでいるかのように感じられ、結果が予想できないレースに一喜一憂できます。不満点も多いゲームですが、ミニ四駆をゲーム化しようとしたスタッフの試行錯誤が窺える良ゲーです。

 

最後のタイトルは「ドラゴンボールZ 超武闘伝2」

週刊少年ジャンプで連載された国民的作品、ドラゴンボールZが原作です。開発はトーセ、発売はバンダイ。ジャンルは対戦格闘アクションゲーム。前作の超武闘伝とともに、大ヒットしたミリオンセラータイトルです。
このシリーズも原作雰囲気の再現に力を入れています。まず、ボタンひとつで舞空術が使え、地上と空中の2ラインを使用して行われるバトル。それに加えて、キャラクター同士が離れた時に境界線を発生させ、距離を表現する手法も見逃せません。ドラゴンボールの戦闘は、相手を吹っ飛ばしたり吹っ飛ばされたりと非常に距離の移動が多いのですが、これによってドラゴンボール「らしさ」の表現に成功しています。
そしてなにより、このゲームでは対戦中に何度も「気を貯める」というアクションを行うことになるのですが、これは当時のテレビアニメで(尺稼ぎに)多用されていたものです。中には碌に戦うことがなく、気を貯めながら会話をして終わるような回も。この動作を何度も繰り返すことになる戦闘は、原作アニメを見事に再現してるといえるでしょう。
待ちわびたドラゴンボールのアニメが、ほとんど「気を貯める」だけで終わった苦い想い出……。超武闘伝2は、そんな子供の頃の記憶を掘り起こしてくれる名作です。

 

以上、BEEPスタッフが超個人的に選んだ、アニメ原作のスーパーファミコン名作ゲーム10選でした。個人的にですが、名作と呼べるアニメ原作のゲームの多くが、ゲームを通して原作の雰囲気を表現しようとしているように感じます。有名作品を特定ジャンルのテンプレートに嵌めて終わるのではなく、ゲームだからこそ表現できる原作のよさを追求する。そんな開発側の姿勢によって、後世にも残るアニメ原作の名作というものが、生まれるのかもしれませんね(まあ、一部原作の空気や動きを無視してますが、そういうのは身も蓋もなくゲームとして面白い!)。

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