1999年3月4日にバンダイが発売した携帯ゲーム機、ワンダースワン。開発にはかつて任天堂に在籍していた横井軍平氏も大きく関わっていたことで有名ですね。コンパクトでスマートなデザインや、本体を向きをタテ・ヨコに持ちかえて遊べるスタイリッシュさ（これはアタリのLYNXでも実装されていましたが…）は、ゲーム＆ウオッチやゲームボーイを生み出した横井氏らしさを感じさせます。対応ソフトがリリースされていた期間はそれほど長くありませんでしたが、『ワンダーウィッチ』のようなプログラム環境の提供など、個性の光るハードでした。
今回、千葉県松戸市のお客様からお譲りいただいたコレクションは初期タイトルから末期のプレミアソフトまで幅広くそろったもので、ここまでまとまっていることはかなりめずらしいです。
『ジャッジメントシルバーソード』『ダイシングナイト.』
これらはワンダースワンで発売されたゲームのなかで最後の2タイトルになります。パッケージに書かれているとおり、『ワンダーウィッチ』でのプログラムコンテストでグランプリを獲得したものが商品化されたものになります。ゲームショップでの取り扱いはなく、期間限定の通信販売でのみ購入できたアイテムのため、出回りは極端に少ないタイトルです。どちらもグランプリ作品だけあってゲームの面白さも保証されているため、プレミアソフトになるのはある意味仕方ないのかもしれません。
『レインボーアイランド パティーズ☆パーティー』
タイトーが1987年にアーケードでリリースした名作アクション『レインボーアイランド』の外伝的作品。わりと初期のタイトルだったので、虹のグラフィックがモノクロで表示されてしまうのはご愛嬌…（笑）。『アイドルマスター』の高槻やよいの声をあてている仁後真耶子さんが主人公パティーの声を担当していることもあって、近年の評価はじわじわと高まっています。
『グンペイ』
ワンダースワンのローンチタイトルのひとつで、同時にワンダースワンを代表するアクションパズルです。タイトル名どおり、横井軍平氏のアイディアをもとに制作されたもので、手軽に遊びやすく、中毒性の高いゲームになっています。アーケードや他ハードへの移植もされていますが、やはり横井氏がハードウェアにも関わったワンダースワン版が一番いいと感じている人はけっこう多いのではないでしょうか？
『ゴールデンアックス』
セガのアーケードゲームで人気の高いベルトスクロールアクションの移植です。メガドライブ版やPCエンジン版はよく見かけましたが、このワンダースワン版まで知っている人はわりと少数派な気がします（それぐらい、ゲームショップでは見かけなかった…）。オリジナルのビジュアルをかなりのレベルで再現しているだけでなく、ゲーム中の英語テキストもわかりやすく日本語に変えていて、なかなか良好な仕上がりです。
『魔界村 for WonderSwan』
カプコンを代表するアクションゲームのひとつである『魔界村』。タイトルだけ見るぶんには第1作目の移植のように思えますが、内容は一新されていて、ワンダースワンオリジナルのものになっています。発売元はバンダイでも開発自体はカプコンで、かなり手ごたえのあるアクションに仕上がっています。携帯ゲーム機での視認性を意識したのか、ややコミカルな雰囲気のグラフィックが特徴です。
『うずまき~電視怪奇篇~』
ホラーコミックの鬼才・伊藤潤二のヒット作『うずまき』を題材にしたアドベンチャーゲーム。実際にはデジタルコミックのようなつくりですが、もともとがマンガ作品なだけにモノトーンのグラフィックも相性はいいです。ストーリーは同じものでもシミュレーションゲームとしてアレンジされた『うずまき～呪いシミュレーション～』もリリースされており、伊藤潤二ファンなら両方おさえておきたいところ。
『機動戦士ガンダム 』『犬夜叉』
『シャーマンキング』『聖闘士星矢』『NARUTO』『キン肉マンII世』『名探偵コナン』
バンダイ主導のハードだけに、それを支えるソフトにはバンダイがスポンサー企業になっているアニメ作品を扱ったものが多く発売されました。もちろん、ほかのハードでも同様にアニメ作品のゲームをリリースしていたのですが、熱心なファンは出ているものは全部そろえたい欲求の強い人も多くおり、うまい展開をしたものですね…（笑）。
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