【宅配買取】富士通が唯一出したMSXマシン「FM-X」を東京都港区より買取いたしました

FM-Xのパッケージです

「パソコンの入門機」そして「子供に買い与えられる安価なパソコン」という構想されたMSXは、松下電器とソニーを筆頭に、三洋電機、カシオ、ヤマハといったパソコン業界には新規に加わるメーカーによってハードが供給されていました。NECやシャープと並び“パソコン御三家”に数えられる富士通が参入したのはメーカー間ではかなり関心の高いできごとだったのではないでしょうか。今回、東京都港区より買取いたしましたFM-Xは富士通が発売した、最初で最後のMSXです。

当時の販売価格は49,800円。松下電器のCF-2000やソニーのHB-55が54,800円だったのに対し、コストでも挑戦していました。

FM-Xの正面です

「FM-X」のロゴがカーキ色で、アイボリー色のケースに埋もれ気味で目立たない一方、「FUJITSU MSX」は鮮明な黒でプリントされています。
キーボード部のサイズを小さくまとめるためか、カーソルキーの配置がかなり窮屈な感じになっていますが、操作性は意外と悪くないです。

FM-Xの背面です

本体の裏面。本体にプリントされた「FM-X」ロゴとの統一感を狙ったのか、ケース下部はカーキ色で成形されています。経年で黄変したわけではありません(笑)。

FM-Xの入出力パネルです

コントローラー端子以外の入出力系統はすべて背面に集約されています。その割にはあまり整理されていないのも、この時代の大らかさが感じられて楽しいですね。

FM-Xの拡張スロットです

カバーを外すと拡張スロットがあります。反対側はカートリッジスロットになっているため、本体の基板はかなりコンパクトに作られているのがわかります。

FM-Xの取り扱い説明書です

操作手引書(取扱説明書)とMSX BASICの文法書。表紙デザインは同じで、ページ数も似たようなものなので、パッと見ただけだと区別がつきません。

FM-X の説明書内その1ですFM-X の説明書内その3です

説明書の序文と概要説明。FMシリーズの位置づけや、MSXの特性が語られています。ここでは説明されていませんが、FM-Xが他社のMSXと異なるポイントしては、FM-7と接続して機能を拡張できるということが挙げられます。商業的にはいい結果を出せずに終わることになるのですが、面白い試みだったと思います。

FM-X の説明書内その2です

FM-Xはコスト削減のためにカートリッジスロットは1基のみ。また、RAM容量も最低限の16KB。FM-7と連携すればグラフィック・サウンド機能の強化やRAMの拡張もできたのですが、FM-7とFM-Xを同時に所有するためにはかなりお金がかかるわけで、あまり現実的な着想ではありませんでした。

FM-XのFM-7インターフェースのパッケージです

ただ、今回のお客様はかつてFM-7もお持ちだったようで、FM-7インタフェースも保管されていました!(笑)

FM-Xインターフェースカートリッジです

カートリッジ形状のユニットになっています。パッケージと違い「FM-Xインタフェース」と記載されているのは、やはりこの時代特有の大らかさでしょうか。

FM-Xのプリンターインターフェースのパッケージです

パッケージデザインはFM-7インターフェースと同じですが、こちらはプリンタインターフェースです。RAMカートリッジも兼用しており、これを接続することでRAMを32kBまで拡張できました(16KBじゃほとんど何もできないということの裏返しでもありますが…)。

プリンタインターフェースの写真です

フラットケーブルに基板という、じつに部品そのままな構成。FM-7やFM-Xの本体デザインがスタイリッシュなのと比較して無骨な感じです。

FM-Xの発売からそれほどの時間を経ず、富士通はMSXから撤退しています。自社製品との競合というのが理由とされていますが、目論見どおりに市場に食い込めず、またFM-7にもよい影響が見込めなかったのが大きかったのではないでしょうか。実際のところは不明なものの、時代の影に隠れたMSXのひとつとして、FM-Xは非常に興味深いマシンです。

 

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