世界に衝撃をあたえたゲーム機の「ファミコン」が大幅なパワーアップをしたのが「スーパーファミコン」。じつにストレートなネーミングながら、実際その名にふさわしい数多くの非常に優れたゲームがリリースされました。ただ、当時はまだゲームはオモチャという感覚も強く、コンディションのよいものが保管されていることはそれほど多くありません。今回、神奈川県座間市のお客様からお譲りいただいたコレクションは箱・説明書もあり、保管状態も良好なものばかり。70本以上あるタイトルも『ドラクエ』『FF』『マリオ』といった大定番（全体写真には入ってませんが…）だけでなく、通好みなものがそろっていました。
『魍魎戦記MADARA2』
角川書店の「マル勝ファミコン」で連載されていた漫画で、メディアミックス作品の先駆的な存在の『魍魎戦記MADARA』。1990年にコナミがファミコンで発売したRPGの1作目から3年後にスーパーファミコンでリリースされたのが本作です。『～2』と、ナンバリングタイトルになっていますが、ストーリー上の関係はありません。ゲームシステムで特筆する部分はあまりなく、ごく普通のRPGといった仕上がりながらグラフィックと音楽はコナミの実力の高さを見せつけてくれます。
『メタルマックス リターンズ』
ギリシャ神話をモチーフにした『ヘラクレスの栄光』シリーズで定番RPGを出していたと思ったら、“竜退治はもうあきた。”と異色のスタイルを打ち出した『メタルマックス』。スーパーファミコンの『～2』から人気を拡大したため、ファミコンの1作目をスーパーファミコンでも遊べるようにリメイクしたものがこの『～リターンズ』になります。攻略する順序や決められたシナリオがなく、プレイヤーが思いのままに過ごせる自由度の高さやコンパクトにまとまった戦闘システムなど、「遊ぶのにまとまった時間がいるから…」という理由で敬遠されることのあるRPGを気軽に遊べるものに仕上げているのが最大の特徴、かつ、支持される理由でしょう。
『セプテントリオン』
“映画のような迫力、そしてライブのような臨場感のあるゲーム”を目指したヒューマンの「シネマティックライブ」シリーズ第1弾です。高波によって転覆し、沈んでゆく豪華客船からできるだけ多くの乗客を救い、脱出をはかるアクションゲームです。船が沈没するまで残された時間は60分…という設定のおかげで、ゲームのプレイ時間が決まっており、緊張感も高まります。時間の経過で変化するマップの状況もプレイごとに異なるため、繰り返し遊んでも同じ攻略はできないのもスリリングです。映画『ポセイドン・アドベンチャー』に多大な影響を受けているため、ファンなら映画もチェックしておくといいでしょう。
【余談】シリーズ第2弾『ファイヤーメン』は『タワーリング・インフェルノ』にインスパイアされたのかな…？ という感じでしたが、ヒューマンが倒産してしまったために、第3弾はありませんでした。『大空港』あたりをオマージュしたものが出ていたら、きっと大傑作になっただろうな…と思います。
『エストポリス伝記』
のちに『カオスシード』『エナジーブレイカー』や『ルーンファクトリー』シリーズを手がけるネバーランドカンパニーが最初に開発したRPGです。いわゆる『ドラクエ』タイプのオーソドックスな内容ながら操作環境が整っており、ゲームを進めるうえでストレスを感じにくいつくりになっています。音楽や演出も秀逸で、さらに完成度の上がった『～II』がフィギュアスケートの羽生結弦選手からも愛されているのは有名ですね。
『魂斗羅スピリッツ』
コナミを代表するアクション『魂斗羅』シリーズ第3弾。スーパーファミコンのハードウェア機能（回転、拡大・縮小）やグラフィック性能を活かしたド派手な演出やスピーディな展開がこれでもかと詰め込まれた大傑作です。本作の開発に携わっていた前川正人氏が『ガンスターヒーローズ』『ガーディアンヒーローズ』『斑鳩』などで知られる株式会社トレジャーを立ち上げたこともゲーム好きにはよく知られているエピソードですね。
『スマッシュT.V.』
アメリカのゲーム会社ウィリアムスが発売したアーケードゲーム『ロボトロン2084』の後継的作品で、海外ではヒットしてさまざまなホビーPCや家庭用ゲーム機に移植されていますが、日本国内ではこのスーパーファミコン版とゲームギア版だけがリリースされています。押し寄せる大軍の敵を撃って撃って撃ちまくる全方位型シューティングで、殺人ゲームショーのTV番組というスタイルで演出されており、『デス・レース2000年』のような映画のテイストやアタリの『ピットファイター』が好きな人にはたまらないでしょう。
『アールタイプ III』
シューティングゲーム史上、指折りの名作として揺るぎなく、まさに金字塔といえる『アールタイプ』シリーズの第3弾。アイレムが発売したシリーズのナンバリングタイトルとしては最後の作品でもあります。スーパーファミコンが発売されて間もないタイミングでリリースされた『スーパー アールタイプ』はアーケード版『～II』のアレンジ移植で、やや粗の目立つ内容でしたが、本作は完全オリジナルな内容で、完成度も飛躍的に高まっています。攻略（＆復活）パターン、グラフィック、BGMなどすべてアイレムらしいこだわりが徹底しているため、これをプレイせずに『アールタイプ』は語れないといっても過言ではありません。
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