38本！という大量のネオジオCDソフトをお譲りいただきました。ネオジオCDといえばどうしてもローディング時間のことが話題になってしまうのですが、逆にいえば武骨なまでに大容量がウリのアーケード仕様の完全再現と、本体価格を下げるためのコスト削減にこだわった結果でもあります。SNKおよびネオジオというブランドの、不器用だけど一本筋は通すポリシーを感じざるを得ません。
今回はお譲りいただいた中から、ネオジオの開発段階から深い協力関係にあったアルファ電子工業こと株式会社エーディーケイのソフトを何本かご紹介しましょう。
80年代から各種アーケードゲームの開発を手掛けていた同社は、ネオジオのベースとなるMVSの設計にも協力。MVSのサードパーティーの筆頭として各種ゲームをリリースしていきました。90年代初頭の対戦格闘ゲームブームのさなかに発表された『ワールドヒーローズ』は、歴史上の英雄を戦わせるというアイデアと、インパクトあるキャラクターと技などで同社の代表作となりました。
今回お譲り頂いたADKソフトは、格闘系を除く同社のタイトル９本。スクロール系アクションやレースゲーム、将棋に対戦パズルなど多岐にわたっており、下段の３タイトルはネオジオCD専用タイトルとなります。当時のサードパーティ筆頭メーカーとして、ネオジオおよびネオジオCD＝家庭用タイトルのバラエティを拡げることも同社の使命でした。
逆にいえばこの頃は対戦格闘ゲーム全盛期であり、同社も『ワーヒー』シリーズに加え『痛快GANGAN行進曲』『ニンジャマスターズ～覇王忍法帖～』なども開発していた頃でもあります。ともすれば同社の開発体制も格闘一色になりかねなかったところを、多彩なゲームタイトルの開発が行えたのは同社の底力という点も大きかったと思います。事実『将棋の達人』はプログラムのベースは過去の『将棋』シリーズの流用ですし、『クロススウォードII』はリリース直前まで開発されたもののお蔵入りとなったタイトルで、早急に用意することができました。また、バラエティソフト『ADKワールド』は、様々なゲーム開発の実験場としても活用されています。
▲実写とりこみによってグラフィック開発時間も短縮できた『将棋の達人』。キャラクターは同社社員が登用されていますが、そのうちの初心者向けキャラ（デフォルトで最初に対戦相手となるザコキャラ）の棒銀太郎は当時の広報担当だったため、同社サイトの管理人人格としても活用されました。
▲『ADKワールド』は各種ミニゲームが詰まったバラエティソフト。ナビゲーターのナイチンゲールは『ワーヒー』の没キャラクターでもあります。
▲横方向の対戦パズルというシステムを採用した『押し出しジントリック』今ならこれに重力要素を加えて、上の方の余りコマみたいなのがポロポロ下に溜まるとかだと何かできそうな気がするんですけどねえ。
▲ワイヤーフレームの自キャラを操作する『クロススウォードII』。これっていわゆるFPS視点をいち早く採用しているってことでいいですかね。
ちなみに『クロススウォード』シリーズの第一作は『クロス「ソ」ード』でリリースされていますが、このへんは商標登録の事情ですね。同作といい『スラッシュラリー』＞『ラリーチェイス』といい、なにげにタイトル周りの変更が多かったのですね。このへんの商標関係の問題はどこのゲームメーカーも抱えていたと思います。ちなみに『痛快GANGAN行進曲』も発売直前まで『熱傑GANGAN行進曲』でした。熱血の「けつ」を豪傑などの傑にしたのですが、そのくらいでは熱血硬派な人とのかぶりを避けられなかったようです。さらに参考ですが英語タイトルが『AAGGRESSORS OF DARK KOMBAT』と、最後がCOMBAT ではなく「K」OMBAT なのは、スペルを変えることで頭のワルさというかガラの悪さを表現しています。
今回ADKタイトル以外にも多数お譲りいただいておりますが、また別の機会に追加で紹介していきたいと思います。ADKタイトルは初期以外はCDローディング画面を変更した作品も多いので、初見でプレイする際はその仕様にも注目してもらえると当時のスタッフも喜ぶと思います。
BEEPではNEO・GEO（ネオジオ）の買取を行っております。今回紹介したCD版のほか、家庭用のAES版、業務用のMVS版も大歓迎でございます。
弊店での買取価格表や買取事例はネオジオ高価買取リストよりご確認お願い致します。
今回のご依頼者様のように、弊店へネオジオ関連のアイテムについて買取をご相談希望の方は以下のバナーよりお問い合わせください。
基板のご購入を検討されている方は以下リンクから、弊店の在庫リストをご確認いただければ幸いでございます。BEEP秋葉原 ‐ 基板在庫表
