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【宅配買取】マルチメディアPCの先駆者・FM TOWNSのソフトを北海道苫小牧市のお客様から買取いたしました

1989年2月、16ビットパソコンが市場の中心だった時代に「全機種32ビットCPU搭載・CD-ROMドライブ標準装備」というスペック(※1)で発売されたFM TOWNS。

※1 この構成案はMSXの生みの親でもある西和彦氏の意見が採り入れられているとのこと

当時はハードディスクがそれほど一般的ではなく、メディアの主流はフロッピーディスクだったので、圧倒的な大容量メディアであるCD-ROMは非常に輝かしい存在でした。
本体もCPUのグレードが高いだけでなく、スプライト機能やPCM音源も使うことができ、ホビーユースとしてもX68000に対抗できるポテンシャルには富士通の威信がかかっていたことを感じさせます。
その後のNECのPC-9821シリーズやDOS/Vマシンの台頭、そしてWindows95の普及などで独自の存在感は薄れていくことになりますが、現代のPC構成の基礎をいちはやく提示していた先進性に惹かれたPCユーザーは少なくありません。

今回、北海道苫小牧市のお客様からは、そんなFM TOWNSのソフトをお譲りいただきました。進取の気風あふれるものや、CD-ROMならではのアプローチを試みたものなど、時代の変換期を知ることができるラインナップです。

『LOOM』

『ゾーク』シリーズで有名なインフォコム社出身のブライアン・モリアティ氏が手がけたアドベンチャーゲームの移植です。チャイコフスキーの戯曲「白鳥の湖」をベースにしたファンタジーとして評価が非常に高く、とあるイスラエルの富豪は自分でプレイするためだけにライセンス料を払ってヘブライ語版を作らせたという逸話もあるほど。TOWNS版ではグラフィックが16色から256色へと大幅強化され、音楽もCDを利用してFM TOWNSならではの仕上がりになっています。

 

『フラクタルエンジン・デモ』

タイトルどおりのデモンストレーションソフトで、もともとはFM TOWNSの発売当初の販促イベント「電脳遊園地」での展示アイテムでした。公開された際の反響があまりに大きく、発売に至ったと言われています。このデモを手がけたのは後に名作レースゲーム『ワイプアウト』シリーズで名を馳せるシグノシス社。未来感のあるデザインやスピーディーに展開される3Dグラフィックなど、FM TOWNSの可能性を大いに見せつける内容は非常に衝撃的でした。

 

『モンキー・アイランド』

ルーカスフィルム・ゲームズが開発したアクションアドベンチャーゲームの移植作です。海外のアドベンチャーゲームは『スペース・クエスト』や『アローン・イン・ザ・ダーク』など、とにかくプレイヤーが死にまくるタイプのゲームが目立つのに対し、本作ではプレイヤーキャラクターが死ぬことはほとんどなく、じっくりと楽しめるのが特徴でした。世界観やゲームシステム、音楽など総合的な評価も高く、その後にもシリーズが続いていきます(2009年には本作のリメイクもされており、こちらも好評を得ています)。

 

『ミス・ディテクティブ』

第4のユニット』シリーズで8ビットパソコンユーザーにもなじみ深いデータウエストはFM TOWNSでの展開を積極的におこなっていたメーカーのひとつ。そのデータウエストがCD-ROMのデータ容量を活かし、実写ビデオ映像を推理アドベンチャーゲームに持ち込んだのが本作品です。初期のFM TOWNSではCD-ROM内の動画や音楽を再生している時に並行してデータを読み込むことはできず、いわゆるインタラクティブなゲームが存在しませんでした。独自開発の動画再生システム「DAPS」により動画再生とアドベンチャーゲームが密接になっているのが他社の作品とは一線を画しています。ちなみに、データウエストの社長である秋田直和氏や、当時のPCゲーム誌であるログイン、ポプコム、コンプティークの編集者たちも出演しているのも見どころです。

 

『ダンジョンマスター』

3Dダンジョン探索型のRPGにリアルタイムアクションを導入し、RPGのスタイルに大変革をもたらした屈指の名作です。開発元のFTLが倒産してしまったためにシリーズが完結することはありませんでしたが、現在も根強いファンがいるタイトルです。ゲーム内容に他機種版との違いはありませんが、富士通がみずから販売を行なっており、TOWNSの普及にかなり力を注いでいたのがうかがえますね。

 

『シャドー・オブ・ザ・ビースト』

先ほどの『フラクタルエンジン・デモ』のシグノシス社が発売したサイドビューのアクションゲーム。ロジャー・ディーン(※2)の手がけた幻想的なイラストと違和感のないゲームビジュアルやサウンドは高く評価され、その後『~III』までシリーズがリリースされました(2016年にはPS4で3Dアクションゲームとしてリメイクされています)。オリジナルはアミガ版ですが、国内PCでのリリースはTOWNS版だけです。
※2 プログレッシブ・ロックバンドのイエスのアルバムジャケットで有名ですが、意外なところでは名作パズルゲーム『テトリス』のロゴデザインもしています

 

『ブランディッシュ』

ゲーム中にキーボードは一切使用せず、すべての操作をマウスだけで行なう新しいスタイルのアクションRPGとして登場した『ブランディッシュ』。日本ファルコムのゲームはあらゆる国内PCで人気でしたが、なぜかTOWNSだけは不遇で『イース』シリーズの発売もなかったので、これは嬉しい新作だったのではないでしょうか。グラフィックやサウンド、ゲーム内容などの差はありませんでしたが、パッケージイラストがPC-98版とは異なっているのも特別感があります。

 

『サイレントメビウス』

サイバーパンクな世界観と美少女キャラクターで人気を博した麻宮騎亜氏の漫画をガイナックスがアドベンチャーゲームにしたもの。ストーリーは完全にオリジナルで、他機種版と違い、フルボイス仕様になっているのが最大の特長でしょう。当時展開していたドラマCDと同じキャスティングで、ファンの期待を裏切らないつくりになっているのもイイですね。2020年にプロジェクトEGGで9801版が復刻しましたが、やはり音声アリで楽しめるTOWNS版は特別です。

 

『スプラッターハウス』

ナムコにしては珍しくホラーテイストを打ち出したアクションゲームの移植作。ナムコのゲームの移植に関してはX68000が多くカバーしていましたが、なぜかこの『スプラッターハウス』はTOWNSでしかリリースされませんでした。ほかに出たタイトルも『リブルラブル』だけで、もっといろいろな展開があってもよかった気がしますが、不思議ですね。

 

『チェイスH.Q.』

エネミーカーに体当たりすることでステージクリアを目指すという、従来のドライブゲームにはなかったスタイルの爽快感がヒットしたアーケード作品の移植。さまざまな家庭用ゲーム機やX68000でもリリースされていますね。TOWNS版はステージ構成や細かい演出などに差はあるものの、CD-DAでアーケード版の曲をそのまま再生できるので、プレイ感覚が他機種版よりもアーケードに近いと思います。オリジナルの裏ステージが用意されているのも嬉しいところ。

ハードウェア設計に関して歴史的意義の大きいFM TOWNS。BEEPでは本体・ソフトともに積極的に買取中です。宅配買取だけでなく、出張や持ち込みにも対応しています。お見積りだけでも承りますので、お気軽にご相談ください。

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どうぞよろしくお願いいたします。

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