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【宅配買取】PCエンジン最強機スーパーグラフィックスを岩手県盛岡市のお客様からお譲りいただきました!

昭和62年に登場し、ファミコンよりも圧倒的にリッチなビジュアルで多くのゲームファンの心をつかんだPCエンジン。その発売から約2年経過した平成元年、さらなるビジュアル強化をはかった上位機種、スーパーグラフィックスが登場しました。

名前があらわすとおり、グラフィック性能(スプライトやバックグラウンドの処理能力)は従来の2倍になっており、当時としては驚異的なパワーでした。
これはPCエンジンに使用しているグラフィックチップ[HuC6270]を2個搭載するという、非常に明快かつ力ワザな手法で実現していたのですが、搭載メモリも増量されており、基本設計はかなり周到なものでした。
一方で、2つのグラフィックチップを制御するのは乾電池の直列つなぎのようには済ませられなかったようで、プログラムを組むのはかなり大変だったそうです。
結果として、専用ソフトは5本のリリースにとどまり、ゲーム機史上もっともソフトが少ないハードのひとつになってしまいました。
潜在能力を存分に発揮できなかった悲運の存在ながら、通常のPCエンジンのソフトも利用できるため、レトロゲームをたくさん遊べるレアハードとしてコレクターの注目度は高くなってきています。

今回、岩手県盛岡市のお客様から買取いたしましたスーパーグラフィックス本体、ケーブルやコントロールパッドだけでなく、箱や説明書もかなり良好なコンディションで保存されていました。最近ではなかなかめずらしいアイテムになっているので、ここで紹介いたします。

まずは、パッケージを開けた状態です。従来のPCエンジンよりも本体サイズが大幅にアップしており(約3倍だそうで…)、けっこう大きい印象を受けます。また、パッケージサイズをコンパクトにまとめる工夫で、ACアダプタやコントロールパッドがタテ垂直方向に収納されているのが風変りですね。

説明書を見ると、PCエンジンとの互換性、そしてグラフィック機能のことを前面に押し出した案内文からはじまっています。音源チップに変化はないので、サウンドについてはサッと流されているのが微笑ましいです(笑)。

定格表示によると、消費電力は7W。初代PCエンジンの4Wから2倍近くになっています。やはりグラフィックチップの数が倍になると、消費電力も比例して大きくなるんですね。なお、ファミコンは4W、スーパーファミコンが8W、メガドライブが13Wなので、PCエンジンがすさまじくパフォーマンスのいいマシンであることがわかります。

本体全体の外観です。俗に“カニ”と言われているのも何となく納得がいきます(笑)。
横に広いせいでそう見えがちですが、実際には自動車のエンジンを模したデザインです。V6仕様っぽいですね。

側面から眺めると、ブルドーザーのようにも見えますね。ゲームソフトであるHuカードは本体の後ろから手前に差し込むスタイルで、PCエンジンとは逆の方向です。そのため、スーパーグラフィックス専用のソフトはHuカードにプリントされているイラストの向きもPCエンジン用ソフトとは逆になっていたりします。従来のやりかたのままでもよかったように思うのですが、設計者には何か思惑があったのでしょうか。

側面部分にはスリットがあり、じつはこれ、けっこう製造コストのかかる形状です。贅沢なハードウェアにふさわしい外装を目指したのがうかがえますね。
(どういうことなのか気になった人は「アンダーカット処理」でネット検索してみるといいでしょう)

コントロールパッド接続端子の隣には[S EXP端子]が搭載されています。これは拡張周辺機器「パワーコンソール」がつながる予定だったのですが、あいにく発売されず、使わない場所になっています。パワーコンソールは航空機のコックピットを思わせるような大型装置で、ハンドルコントローラーやジョイスティック、ゲームと連動するインジケーターやテンキーなどを備えた豪華なものでした。その豪華さゆえに販売予定価格が59,800円と高価であったことや、装置の耐久性などに問題を抱えていたことが発売中止につながったといわれています。
余談ながら、まさに幻のアイテムといえるこのパワーコンソール、NECホームエレクトロニクスがコミックマーケットの企業ブース参加時に試作品をオークション形式で2台だけ販売しました。メーカー自身がこうしたものを放出するのはまずありえないことで、事件といってもいいイベントでしたね。

PCエンジンを遊ぶ上ではずせないのが拡張ユニットである「CD-ROM2」の存在です。Huカードや他ハードのロムでは賄いきれない大容量のデータを楽しめる新メディアのCD-ROMは当時の最先端でした。スーパーグラフィックスはPCエンジンの資産を使えることをウリにしていたので、もちろんCD-ROM2にも対応しています。ただ、その大きな本体サイズが災いし、ダイレクトに接続することができず、このROM2アダプター「RAU-30」が必要でした。当時の販売価格は6,900円で、そもそもCD-ROM2の導入に6万円近くかかったこともあり、かなりのブルジョワ的オプションといえるでしょう。

CD-ROM2に接続するユニットはPCエンジン本体と同じサイズ、もう片方ののスーパーグラフィックスに接続するユニットはさらに大きいサイズで、平置きにするしか設置方法はなく、床の占有率もかなりのものでした。CD-ROM2のない状態での接続写真でもこの広がりようで、こうしたところもブルジョワ的だなァ…と感じますね(笑)。

スーパーグラフィックス本来の性能を味わいつくせる機会はありませんでしたが、ゲームのビジュアルを突き詰めようとした追求精神やハードウェア設計は次世代機のPC-FXにも継承されることになります。ゲームにおけるグラフィックの進化や、ビジュアルシーンの重要性を先取りしようとした意欲は間違いなく現在のゲームに影響をあたえているでしょう。専用ソフトのひとつである『大魔界村』のパッケージもアニメ界の大御所である安彦良和氏が手がけており、マニアには忘れられない存在です。市場的な成功・失敗に関係なく、記憶に残るハードだといえます。

BEEPでは、PCエンジンに関するアイテムを積極的に買い取っています。
ゲーム機本体、ソフト、周辺機器や雑誌、関連グッズなど、あらゆるものを歓迎しています。

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